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提案書14(2601頁~2800頁) (181 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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③再評価の根
拠・有効性

濾過量が少なく眼圧下降効果が不十分な場合は、強膜マッサージ(J093、150点)を行うが、これだけでは十分な眼圧下降が得られない場合がほと
んどであり、再手術として緑内障濾過手術(K268 3、23,600点)や緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのあるもの、K268 5、45,480点)が行
われることがある。逆に、濾過量が過剰となった場合には低眼圧黄斑症などの合併症リスクが生じ、術後処置・再手術が必要になることがある。
このような問題に対し、レーザー切糸術を併用することで適切な眼圧コントロールが可能となり、良好な成績を得られるとの複数の報告がある。
また、本技術は各国のガイドラインにも掲載されている基本的手技である。再手術を回避することにより、患者・医療従事者の負担を軽減し、患
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 者のQOL・予後向上が期待でき、また、医療費削減にもつながると考えられる。
・術後2年間の検討で、レーザー切糸術により眼圧を15mmHg以下に出来る確率は76-82%であり、レーザー切糸術を併用することで良好な成績が得
後等のアウトカム
られる(参考文献3)。
・フランスにおける緑内障管理に関するサーベイが行われ、術後早期の眼圧上昇に対する処置として、52.9%の眼科医がレーザー切糸術を選択す
ると回答している(参考文献1※)。
・プロスタグランジン関連薬を長期間使用し、プロスタグランジン関連眼窩周囲炎を発症した患者に対して行った濾過手術において、眼瞼の変化
の程度にかかわらず、ほぼ90%の症例でレーザー切糸術が施行されており、濾過手術に必須の処置であることがわかる(参考文献2※)。

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

緑内障診療ガイドライン第5版(2022年)において、レーザー切糸術の目的や手技に関する
記載が追加になった(参考資料4※)。また、レーザー切糸や強膜マッサージなどにより術
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す 後眼圧の調整を行うことが記載されている。また、緑内障学会で行った実態調査(参考資
る。)
料5※)において、レーザー切糸術は手術を執刀した医師の86%が自ら実施しているのに対
し、手術を行っていない医師は60%がレーザー切糸術を行っていなかった。手術を行った施
設でのレーザー切糸術の施行頻度が高いことが分かる。

NDBオープンデータによると、1年間に全国で行われた緑内障手術(濾過手術)は、令和2年度が14,459件、令和4年度が13,497件と若干減少してい
た。1年間に両眼の手術を受ける患者は、約2割程度であることから、この人数を推計した(総件数としての普及性変化は、ないと想定)。

見直し前の症例数(人)

14,000

見直し後の症例数(人)

14,000

見直し前の回数(回)

16,800

見直し後の回数(回)

16,800

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

・緑内障診療ガイドライン(第5版)において、濾過手術は大部分の緑内障病型に対して最も一般的な緑内障手術であり、レーザー切糸や強膜マッ
サージなどにより、術後眼圧の調整を行うとの記載がある(参考文献4※)。
・濾過手術、レーザー切糸術の技術度は、それぞれD・C(外保連試案)であり、相応の専門性が求められる(眼科専門医)。

施設の要件
眼科を標榜する保険医療機関。
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 眼科専門医あるいは眼科専門医が直接手術指導できる施設。
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 眼科専門医
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 緑内障診療ガイドライン第5版、2022年、日本緑内障学会
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

もともと、他の緑内障手術に比して合併症率はやや高いが、適切に対処すれば、得られる最終的な眼圧は他のどの手術に比しても低く、有効であ
る。レーザー切糸を併用することにより、眼合併症を減少させることができる(参考文献4※)。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

特に問題なし

⑧点数等見直し
の場合

見直し前

23,600

見直し後

26,519

その根拠

外保連試案における、濾過手術25,473点、レーザー切糸術1,046点の合計として算出した。

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

特になし

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし
増(+)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

186,289,760

その根拠

増点分の29,190円×17,200回として、502,068,000円の医療費増。
一方、増点により新規でレーザー切糸術を併用する症例が全体の5%程度と想定し、その症例においては再手術が回避できると考えられるため、
17,200回×5%×80%(レーザー切糸術の成功率)×458,980円(濾過手術 K268 3のDPC点数 ※)として、315,778,240円の医療費削減につながる。以
上の差し引きにより、186,289,760円の医療費増と推計した。
※緑内障手術 濾過手術 片眼:診断群分類番号 020220xx01xxx0、平均在院日数(第Ⅱ日)9日、医療機関別係数は1.2として試算した。

備考

上記の他、薬剤費の削減にも寄与できると考えられる(薬物治療は患者の生涯を通して継続される為、その影響は小さくないと想定される)。

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

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