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提案書14(2601頁~2800頁) (78 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

371102
センチネルリンパ節生検術(女子外性器悪性腫瘍)
日本婦人科腫瘍学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

25産婦人科・産科
34病理診断科

関連する診療科(2つまで)
28放射線科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)

令和4年度

「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

センチネルリンパ節生検術(女子外性器悪性腫瘍)

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

外陰がんの患者に対し、術前あるいは術中に病巣周囲の皮膚へトレーサー(色素、ICG、放射性同位元素)を注入し、会
陰・鼠径部皮下のリンパ節領域に存在するセンチネルリンパ節(SN)を同定し、生検を行う。転移の有無を病理診断し、ソ
ケイリンパ節郭清の要否判断の参考にする。本技術は国内のガイドラインだけでなく海外のガイドラインでもすでに推奨さ
れている。

文字数: 171
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

外陰がん

現在、外陰がん手術において浸潤が1mm以上か腫瘍径が2cmを超える患者に対しては鼠径リンパ節郭清が施行されるが、術後
合併症に創離開、蜂窩織炎、下肢リンパ浮腫などある。1990年代より外陰がんに対するSN生検の妥当性が多く検証されてい
る。感度、陰性的中率ともに良好で、郭清と比して術後合併症が少ない一方、術後成績は同等とされる。2015年版の日本婦
人科腫瘍学会編・外陰がん・腟がん治療ガイドラインにおいて当該治療についてグレードC1として推奨されている。また類
似疾患の皮膚がんにおいてはSN生検がすでに保険収載されており、取扱いに差が生じているため、保険収載が必要であると
考えられる。

文字数: 291
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

以下の要件を満たす外陰がんの患者
・外陰・会陰に限局する
・リンパ節転移が疑われない

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

外陰がん手術の前日あるいは当日に腫瘍周囲の皮膚に等間隔で4ヶ所へトレーサー(色素、ICG、放射性同位元素)を注入
し、会陰・鼠径部皮下のリンパ節に存在するSNを同定し、生検する。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号
医療技術名

850
女子外性器悪性腫瘍手術

既存の治療法・検査法等の内容

外陰切除術とともに鼠径リンパ節郭清術が行われる。鼠径リンパ節郭清の侵襲性は高く、術後合併症として創離開、蜂窩織
炎、リンパ浮腫が問題となり、抗菌薬の長期使用や再手術、入院日数の延長につながることがある。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

外陰がんにおけるSNの同定率、陰性的中率とも90%以上であり、鼠径リンパ節郭清を省略した場合は再発率をあげることな
く、創離開、蜂窩織炎、下肢リンパ浮腫などの合併症を有意に低下させる。
・49の研究をまとめたメタアナリシスでは患者あたりのSN同定率は94.4%、鼠径リンパ節を含む感度は92%、偽陰性率は8%、
陰性的中率は97%であったと報告されている。(Gynecol Oncol, 2013;130:237-245)。エビデンスレベル1b
・外陰がん403例で259例のSN生検群と144例の鼠径リンパ節郭清群を比較すると、創離開、蜂窩織炎、下肢リンパ浮腫は有
意に鼠径リンパ節郭清群で高かったとしている。(J Clin Oncol, 2008; 26:884-889)。エビデンスレベル1b
・本邦からの報告でも外陰がん12例においてSN生検を行い、9例のSN転移陰性例のうち5例で鼠径リンパ節郭清を省略し、再
発を認めなかった。(J Gynecol Oncol, 2016; 27(6):e57)。エビデンスレベル2b

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

1b

ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

2678

外陰がん・腟がん治療ガイドライン2015年版(日本婦人科腫瘍学
会)において、鼠径リンパ節転移が疑われない症例においては、
SN生検により鼠径リンパ節郭清の省略が考慮されるが、本邦の現
状を鑑み、試験的位置づけで行われるべきである。(グレード
C1)