提案書14(2601頁~2800頁) (155 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
375201
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
低血圧麻酔の見直し
公益社団法人日本麻酔科学会
31麻酔科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
リストから選択
関連する診療科(2つまで)
リストから選択
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
リストから選択
提案当時の医療技術名
有無をリストから選択
追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
区分をリストから選択
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
1-A
算定要件の見直し(適応)
該当する場合、リストから○を選択
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
4
保険収載の廃止
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
提案される医療技術の概要(200字以内)
該当する場合、リストから○を選択
○
その他」を選んだ場合、右欄に記載
低血圧麻酔については、術中の出血量を減少させることを目的に降圧薬等を投与することで低血圧状態とする麻酔であって、主に脳動脈瘤手術等
において実施されてきた。しかしながら、低血圧状態による合併症の増加や止血剤及び医療技術の発展とともに低血圧麻酔が実施されることが少
なくなってきている。日本麻酔科学会による調査結果に基づき当該技術を廃止し麻酔に係る医療資源の再配分を行うこととしてはどうか。
文字数: 195
再評価が必要な理由
低血圧麻酔は、手術操作を安全にし、出血量を減少させる目的で、脳動脈瘤手術や出血しやすい手術の際に、低血圧の状態を維持する麻酔をい
う。なお、この場合の「低血圧」とは概ね、患者の通常収縮期血圧の 60%又は平均動脈圧で 60~70mmHgを標準とする。しかしながら、低血
圧により腎合併症などの臓器障害が発生するリスクがあることがわかってきた。また、止血剤及び医療技術の発展とともに近年では実施されるこ
とが少なくなってきている。そのため、日本麻酔科学会では低血圧麻酔に係る実態調査を実施したところ、年間麻酔回数のうち約0.3%程度であっ
た。そのため、当該麻酔に係る評価を廃止し、麻酔に係る医療資源の再配分を行うこととしてはどうか。
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
手術操作を安全にし、出血量を減少させる目的で、脳動脈瘤手術や出血しやすい手術の際に、低血圧の状態を維持する麻酔をいう。なお、この場
合の「低血圧」とは概ね、患者の通常収縮期血圧の 60%又は平均動脈圧で 60~70mmHgを標準とする。
しかしながら、脳動脈瘤手術等における術中低血圧は予後を悪化させることが報告されている。
・くも膜下出血等に対する脳動脈瘤手術において術後の攣縮予防のためのトリプルH療法(hypervolemia, hypertention, hemodilution)
(Neurosurgery 1988; 23: 699-704)(Neourosurgery 1990; 27: 729-739)
・くも膜下出血や頭蓋内出血を伴う頭蓋内病変急性期における収縮期血圧90mmHg以下の低血圧麻酔は有害(J Neourosurgery 2000; 92; 971975)
・非心臓手術を受ける患者において麻酔(術前合併症の程度、深い鎮静状態、術中収縮機血圧80mmHgの時間)が長期予後に影響(Anesth Analg
2005; 100: 4-10)
・Triple Low(低血圧、深い鎮静状態、低い吸入麻酔濃度)では、入院期間が延長し、30日死亡率が上昇(Anesthesioligy 2012; 116: 11951203)
・術中平均血圧55mmHg未満の時間が10分続くと死亡率1.4倍、20分以上で死亡率2倍
術中平均血圧65mmHg未満が20分以上続くと急性腎障害の発生率が2.3倍
術中平均血圧60mmHg未満が20分以上続くと心筋傷害の発生率が1.8倍 (Br J Anaesth 2018; 121: 706-721)
・術中平均血圧70mmHg未満で死亡率上昇 (Anesthesiology 2015; 123: 79-91)
外保連試案2022において低血圧麻酔は特殊麻酔として麻酔係数増分1.0としているところ(P445)。
社会医療診療行為別統計によれば、マスク又は閉鎖循環式全身麻酔全体では、198,547回/月 → 2,382,564回/年
そのうち 2 座位における脳脊髄手術等は、9,279回/月 → 111,348回/年
日本麻酔科学会による調査によれば 2 座位における脳脊髄手術等のうち低血圧麻酔は、約3.3%に実施されており、3,674回/年であると推定
される。これはマスク又は閉鎖循環式全身麻酔全体の0.02%となるが、当該加算にかかる保険点数は148,741,800点/月 → 1,784,901,600点/年
であり、58,901,753点/年つまり、589,017,530円/年となることが見込まれる。また、急性腎障害や心筋傷害等を含む予後不良な状態になること
を踏まえると無視できないものと思料する。
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
L008 マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔
2 坐位における脳脊髄手術、人工心肺を用いる心臓手術(低体温で行うものを除く。)若しくは区分番号K552-2に掲げる冠動脈、大動脈バイパ
ス移植術(人工心肺を使用しないもの)(低体温で行うものを除く。)が行われる場合又は低血圧麻酔、低体温麻酔、分離肺換気による麻酔若し
くは高頻度換気法による麻酔の場合(1に掲げる場合を除く。)
イ 別に厚生労働大臣が定める麻酔が困難な患者に行う場合 16,600点
ロ イ以外の場合 12,100点
L
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
008 2
2755