第28回過労死等防止対策推進協議会 全体版資料 (119 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40481.html |
出典情報 | 過労死等防止対策推進協議会(第28回 6/4)《厚生労働省》 |
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2024年過労死防止大綱改正にあたっての意見書
協議委員
弁護士
川人
博
(過労死弁護団全国連絡会議代表幹事)
厚生労働省労働基準局
過労死等防止対策推進室
御中
2024年4月25日
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」
(以下・過労死等防止大綱という)の20
24年度改定にあたって、先に提出した本年3月4日付意見書に加えて、下記のとおり意
見書を提出する。
記
第1 芸術・芸能分野(31頁・40頁関連)
大綱案22頁において、
「・・・芸術・芸能従事者及びフリーランスの過労死等事案につ
いても事案の蓄積状況に応じて分析を行う。」と指摘されているが、芸術・芸能分野におけ
る過重労働・ハラスメントは、日本の全業種・職種の中で、とりわけ深刻な実態にあり、
その改革は緊急の課題となっている。とりわけ、日本を代表する芸能プロダクションや劇
団において発生した一連の事態は、海外からも注目を浴びることとなり、日本における文
化活動への信頼を損なうことになりかねない。
具体的に次の諸点を重視して取り組むことが必要である。
第一に、芸術・芸能の分野は特殊であるという観念を打破し、健康な職場なくして健全
な文化活動は成り立たないとの考え方を定着させることが大切である。
第二に、労働の実態から考えれば、使用従属関係があり企業の指揮命令に基づいて活動
している者についても、労働者性を否定し、雇用契約を締結していない職場が多数存在す
る。労基法上の労働者である俳優等の演技者等について、労基法、労安法の原則に基づき
長時間労働を規制し、かつ、健康安全対策を実施するよう、労基署による監督行政が不可
欠である。また、仮に、俳優等が自立した自営業者と認められる場合には、フリーランス
新法に基づく健康安全の確保措置を監督官庁が実施しなければならない。
第2 医師・看護師等の過重労働の防止・健康確保(34頁関連)
我が国の医療業界においては、長時間労働、深夜勤務、不規則勤務、ハラスメント等の
実態がコロナ禍以前から問題とされてきたが、コロナ禍の数年間においては、とりわけ深
刻な状況が続いた。そして、コロナ禍が一段落した後も、超高齢者社会、都市集中・地方
過疎等の中で、病院勤務者の過労死・過労疾病が後を絶たない。
具体的に次の諸点を重視して取り組むことが必要である。
第一に、医師の長時間労働規制にあたって労基法第41条3号の監視・断続的労働従事
者の許可制度を利用し、実態は深夜労働が継続しているにもかかわらず、労働時間と算定
せず、かつ、宿直労働の過重性を否定することは、断じてあってはならない。
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