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第28回過労死等防止対策推進協議会 全体版資料 (120 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40481.html
出典情報 過労死等防止対策推進協議会(第28回 6/4)《厚生労働省》
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第二に、研修医や若手医師の実質労働時間を、研鑽という扱いにして労働時間に算入せ
ず、労働時間の過少認定に導いていることは、これら医師の過重労働を公認することとな
り、ひいては充実した医療を実現していくうえでも大きな障害になり、改善が強く求めら
れる。また、職場によっては、医師による看護師に対するハラスメントが発生しており、
緊張を要する職場環境においても、人間性を尊重する職場風土を作ることが求められてい
る。
第三に、看護師の労働に対する評価において、深夜・交替制勤務による過労・ストレス
が軽視されている実態がある。生体リズムに反する深夜・交替制勤務について、過重性を
否定することがないよう、監督行政は十分留意しなければならない。
第四に、病院勤務者に対する一部の患者・家族等による理不尽な圧力等、カスタマーハ
ラスメントの一つであるペイシャントハラスメントが残念ながら少なくない。医療行為の
中で生ずる様々な矛盾について、病院経営者のみならず、厚生労働省等が国民に対する適
切な啓発活動を行い、ハラスメントの解消に取り組むべきである。
第3

ILO「暴力及びハラスメント条約」の批准と新法の制定(5頁・20頁・22頁

・29頁関連)
日本では、ハラスメントに関連し、2019年に「労働施策の総合的な推進並びに労働
者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」
(改正労働施策総合推進法)が制定さ
れ、2020年6月から施行されたが、2019年6月にILO総会で採択された仕事の
世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約は現在においても批准されていな
い。
日本の現行法は、あくまでハラスメント相談窓口の設置を義務付蹴る範囲に留まってお
り、実際の運営状況としても、この職場の窓口が正常に機能していないケースが多数報告
されている。
前記のILO条約を批准することは、2011年国連で採択された「ビジネスと人権」
の原則を実践するうえでも不可欠である。
第4 男女平等を否定する現行労災保険法の改正(7頁関連)
現行の労災保険法は、夫が死亡した場合には、同一生計の妻が年齢等の制限なく労災遺
族年金を取得できるが、妻が死亡した場合には、同一生計の夫は特別の要件をクリアしな
い限り、労災遺族年金を取得できない定めとなっている。このような労災保険行政におけ
るジェンダー差別は、憲法14条や国際人権法にも違反するものであり、職場における性
別を問わず働く権利を実質的に否定するものである。速やかな法改正が必要である。現行
法は、遺族男性差別であるとともに、被災女性労働者に対する差別である。
第5 労災不服申請手続の理不尽さの是正を(7頁・19頁・23頁関連)
現在、被災者や遺族は、労災申請を労基署に行って業務外決定とされた場合には、各都
道府県労働局の審査官に審査請求ができる。これが認められない場合には、さらに労働保
険審査会に再審査請求することができる。ところが、この間の運用をみると、たとえば、
労基署が時間外労働約 70 時間を認定したが、業務外決定した事案で、審査官が時間外労働

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