提案書21(4001頁~4203頁) (27 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
日本において行われた前向き試験で、子宮頸部HSIL以上の病変の検出率は、マニュアル鏡検で60%、ThinPrepインテグレー
トイメージャ86.7%で、機械判定システムを用いた子宮頸部細胞診スクリーニングは、通常鏡検と同等以上の性能を有する
ことが示された。(日臨細胞会誌 2019;58:189-195.)
また、診断が困難とされる腺系病変においても、細胞検査士によるマニュアルスクリーニングの感度は68.5%であるのに対
し、ThinPrep Imaging Systemによる機械判定の感度は94.3%であり、機械判定を併用することでの精度向上が示されてい
る。( Diagn Cytopathol 2023;51:135-139.)
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
2a
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
年間対象患者数(人)
333,180
国内年間実施回数(回)
333,180
公益社団法人 日本臨床細胞学会 施設認定に関する施行細則
附則 1. 精度管理 (添付文書1, p.51)
「陰性標本の10%以上について,細胞診専門医若しくは細胞検査
士がダブルチェックによる再検査を行うように努めること」と
し、2回以上検査して見落としをなくすことを求めている。
※患者数及び実施回数の推定根拠等
令和3年社会医療診療行為別統計によると、婦人科細胞診の件数は342,778回/月×12か月=4,113,336回/年…(1)。このうち
子宮頸部細胞診の頻度を90%、そのうち陰性と判定される割合を90%とすると、本技術を導入しうる件数は(1)×0.9×0.9=
3,331,802回/年…(2)
このうち、常勤の病理専門医と細胞検査医が勤務している日本臨床細胞学会認定施設で、機械判定システムを導入する施設
が10%と仮定すると、年間実施回数は推定で(2)×0.1=333,180回/年…(3)
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
*本医療技術は1次スクリーニングを中心に1990年代末から登録衛生検査所において導入されており、すでに累計で1,000万
件を超える検体数が処理されている。
*日本臨床細胞学会では、学会内班による研究として本医療技術の有用性を確認しており(参考文献5)、子宮頸部細胞診
の陰性判定標本の精度管理のために、その普及を強く推奨するものである。
*本医療技術が搭載された機械判定システムで指定された染色法(パパニコロウ染色、SurePath法、ThinPrep法等)で染色
する必要があるが、日常業務で行っている染色法と替わらないため、細胞検査士や細胞診専門医であれば容易に扱うことが
可能である。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
本技術の保険収載目的は、偽陰性の回避による婦人科子宮頸部細胞診の精度の保証であり、そのためには細胞診検査業務全
般に対する適切な精度管理がなされていなくてはならない。そのため、日本臨床細胞学会の認定施設に限ることが妥当と考
える。
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
常勤の細胞診専門医ならびに細胞検査士が配置されていること。
常勤の細胞診専門医ならびに細胞検査士のうち、少なくとも1名は使用する機械判定システムのトレーニングを受け、適切
な安全管理を実施できる耐性を整えていること。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
施設基準については「公益社団法人
日本臨床細胞学会 施設認定に関する施行細則」(添付文書1
p.50)参照
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
本医療技術は、「N004細胞診(婦人科材料等によるもの)」で規定されている検体採取方法と同様の方法で子宮頸部細胞を
採取し、採取後の検体について細胞検査室内で行うものであるため、患者に対する安全性は現法と全く異ならず、新たな副
作用・合併症・事故などのリスクはない。
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし
N
妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)
点数(1点10円)
40点
その根拠
原価計算によるとランニングコストは857円/件となるが、医療費に与える影響を考慮して40点とした。
区分
その他(右欄に記載する。)
番号
該当なし
技術名
該当なし
具体的な内容
該当なし
増(+)
プラスマイナス
予想影響額
特になし
予想影響額(円)
69,442,380円/年
その根拠
(ア)本加算による増点:333,180回/年×40点×10円/点=133,272,000円/年…(4)
(イ)ThinPrepインテグレートイメージャはThinPrep法で作製された液状化細胞診検体のみ機械判定が可能である。令和4
年社会医療診療行為別統計によると、婦人科材料等液状化細胞診加算の件数は154,767件/月×12か月=1,857,204件/年…
(5)。ThinPrep法の市場シェアは約30%であるから、ThinPrep法による婦人科液状化細胞診の件数は(5)×0.3 =557,161件/年
…(6)。このうち子宮頸部細胞診の頻度を90%、そのうち陰性と判定される割合を90%とすると、本技術を導入しうる
ThinPrepインテグレートイメージャの件数は(6)×0.9×0.9=451,300件/年…(7)
このうち、常勤の病理専門医と細胞検査医が勤務している日本臨床細胞学会認定施設で、機械判定システムを導入する施
設が10%と仮定すると、ThinPrepインテグレートイメージャの年間実施回数は推定で(7)×0.1=45,130件/年…(8)
ThinPrepインテグレートイメージャを導入すると、HSIL検出率は平均27%増加する(メーカーデータ)。日本臨床細胞学
会の令和3年度施設年報によると全件数に占めるHSILと判定された割合は3.6%であることから、ThinPrepインテグレートイ
メージャの機械判定システムを併用することで偽陰性を回避できる症例数は(8)×0.036×0.27=439人/年…(9)
(ウ)BDフォーカルポイントはThinPrep法以外(SurePath法と従来法)の細胞診検体の機械判定が可能である。BDフォーカ
ルポイントの年間実施回数は推定で333,180回/年−(8)=288,050件/年…(10)
BDフォーカルポイントを導入すると、偽陰性と判定された症例のうち、機械判定でHSIL以上の病変が検出された症例の頻
度0.41%である(参考文献2参照)ことから、BDフォーカルポイントの機械判定システムを併用することで偽陰性を回避でき
る症例数は(10)×0.0041=1,181人/年…(11)
(エ)以上より、現在我が国で管理医療機器として承認されている婦人科子宮頸部細胞診の機械判定システムを用いること
で、偽陰性が回避される症例数は(9)+(11)=1,620人/年…(12)。(12)のうち50%がCIN 3以上の放置しえない病変であった
と仮定すると、その症例数は(12)×0.5=810人/年…(13)
(オ)(13)のうち、子宮頸癌0期で子宮頸部円錐切除術を施行した場合は、短期滞在手術等基本料14,607点。一方、IB/II期
まで進行した場合に要する治療は子宮悪性腫瘍手術(69,440点)と入院費用(7対1入院基本料・14日以内2,179点/日×平均
入院日数11日=23,969点)のみとしても93,409点。もし(13)のうち10%の症例が偽陰性として放置され子宮頚癌0期から
IB/II期まで進行していたとすると、本医療技術導入で早期発見し防ぎえた過剰な医療費は(93,409−14,607)×(13)×0.1×
10円/点=63,829,620円/年…(14)
(カ)ゆえに実際の医療費増推定額は、(4)-(14)=69,442,380円/年
備考
特になし
4027