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提案書21(4001頁~4203頁) (99 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

736101
血漿および尿中BKV-DNA定量検査
日本臨床腎移植学会
24泌尿器科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

05腎臓内科
関連する診療科(2つまで)
07血液内科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

リストから選択


有無をリストから選択

追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

臓器移植および造血幹細胞移植後の患者における日和見感染症であるBKウィルス感染症を診断するために、血漿または尿中の
BKウイルス(BKV)DNAを、リアルタイムPCR法により増幅して定量する。BKウイルス測定工程は、①核酸抽出、②核酸増幅及
び③測定から成り立っている。これらの工程は自動化されており、移植の種類にかかわらず同じプログラムで実施される。

文字数: 174
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

臓器移植および造血幹細胞移植患者

臓器移植および造血幹細胞移植の患者は、免疫抑制状態であり感染管理は非常に重要である。移植患者でBKVが活性化する
と、ウイルス尿症、ウイルス血症を経て、出血性膀胱炎、尿道狭窄症などの障害を引き起こす。とりわけ、腎移植患者が感染
すると、ウイルス血症からウイルス腎症に移行し移植腎が廃絶となる危険性がある。現在、BKV感染を確認する方法は生検で
あり、侵襲性が高い。また、尿沈渣による異形成細胞確認も定期的に行われているがウイルスの同定や定量はできない。その
ため、本検査が保険適用されればBKV感染状態を継続的に把握することができ、患者の病態に合わせて治療方針を決定するこ
とができる。

文字数: 288
【評価項目】

①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

「対象・疾患」臓器移植後の患者・造血幹細胞移植患者
により、日和見感染にかかりやすい病態である患者

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

移植患者でBKVが活性化すると、ウイルス尿症、ウイルス血症を経て、出血性膀胱炎、尿道狭窄症などの障害を引き起こす。
とりわけ、腎移植患者が感染すると、ウイルス血症からウイルス腎症に移行し移植腎機能が廃絶する危険性がある。本検査
は、臓器移植後、造血幹細胞移植後で免疫抑制療法中であり、BKV感染のリスクのある患者の、尿または血漿検体を用いて、
DNA定量検査(PCR法)によりBKV感染の確定診断を行う。海外のガイドラインを参考にすると、臓器移植において移植後9ヶ月
までは毎月、その後移植2年までは3ヶ月に1回、リアルタイムPCRの実施が推奨され、腎移植の患者においては腎症への先制
治療を考慮するために、BKウイルスの定期的な検査が強く推奨されている。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

「病態・症状」臓器移植後または造血幹細胞移植後で免疫抑制療法



番号

2

医療技術名

尿沈査(検鏡法)

既存の治療法・検査法等の内容

尿中の成分である上皮細胞類,非上皮細胞類(血球類),円柱類,塩類・結晶類,微生物類について分類と計測をする方法。
ウイルス感染がおこると細胞に異形が確認されるため、ウイルス感染の有無を判断するために実施されているが、感染してい
るウイルスの種類を特定することはできない。また定量検査ではないため、治療効果を定期的に確認する目的では使用できな
い。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

BKV感染症は進行性の病態で、尿中に検出される尿症の状態から血症となり、最終的には腎機能障害を来すBKV腎症に至る。
BKV腎症を確認する方法としては、D412-2 経皮的腎生検法が実施されるが、侵襲性が高く患者負担が大きいため実施可能な患
者は非常に限定される。確認のための腎生検は、腎機能障害が起きているBKV腎症の段階で行われることがほとんどで、この
段階で診断したとしても治療は非常に難渋し、治療が奏功しないと移植腎機能喪失に至る。従って、腎症に至る前のウイルス
尿症、ウイルス血症の段階で、確実に診断を行い、過剰免疫状態を是正する(免疫抑制剤の減薬など)対策を早期に行うこと
が重要となる。また、BKV感染症は長期間遷延することが多いため、治療介入の適性を判断するために定期的なモニタリング
を行う必要がある。
尿沈査による検査では、異形細胞が確認されたとしてもウイルス感染は確定できず、感染しているウイルスの種類も特定はで
きない。そのため、異形細胞が検出できたことを理由に、治療方針の変更を考慮することができない。一方で、血漿および尿
中BKV-DNA検査(本品)は、リアルタイムPCR法を用いた検査であり,①定量的にBKV DNAが検出可能であることから、リスクの
高い患者を経時的に測定することで現在の診断と比較してBKV感染の早期診断が可能となる、②血液検体や尿検体を用いたBKV
検査が可能となり、PCR法においてBKV DNAが検出されなければ、侵襲性の高い生検を回避することが可能になる、③治療介入
判断の閾値などに関する知見の収集が可能になる。

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