提案書21(4001頁~4203頁) (74 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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子変異に基づく治療を行った場合、従来の治療をした場合と比べて予後が改善することが報告されている(Nat Med,2019,25:744-50, Lancet
Oncol, 2020,21:508-18)。また、がんの診断時にCGP検査を実施し、遺伝子変異に基づき標準治療の優先順位付けを治療方針決定に生かすこと
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 で、患者の予後改善に貢献しうる(Clin Cancer Res. 2020 July 01; 26(13): 3239–3247)。また様々ながん種別においてもCGP検査を早期に実
後等のアウトカム
施し、遺伝子変異に合った治療を行うことで、予後改善につながると報告されている。膵癌(JCO Prec Oncol. 2019 Oct;3:1-0, Genomic
Medicine 2023 volume 8, Article number: 1)、胆道癌(Clinical Cancer Research. 2022 28:1662-71)、非小細胞肺癌(BMC Medicine,
2021,vol 19, Lung Cancer,2020 Oct;148:69-78.)
以下に示すガイドライン等では、パネル検査を実施することが推奨されている。
・日本臨床腫瘍学会・日本癌治療学会・日本癌学会「次世代シークエンサー等を用いた遺
伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス」(2020 年 5 月 15 日 第 2.1 版)
・NCCNガイドライン 膵臓がん version2:2022
・
NCCNガイドライン 前立腺癌 Version: 1.2023
・NCCNガイドライン 非小細胞肺癌 Version: 1.2023
・NCCNガイドライン 卵巣癌 Version: 1.2023
・ESMOガイドライン 胆道がん Ann Oncol 34:127-140, 2023
・
ESMOガイドライン MSI変異、NTRK融合遺伝子 Ann Oncol 31:861-872, 2020
・
肺癌患者における次世代シークエンサーを用いた遺伝子パネル検査の手引き第2.0版、肺癌
患者におけるMETex14 skipping検査の手引き第1.0版、肺がんのMET/NTRK遺伝子診断におけ
るエキスパートパネルの活用に関する要望書(以上、日本肺癌学会)
・膵癌診療ガイドライン 2022年版 第6版 (日本膵臓学会)
・卵巣癌患者に対してコンパニオン診断としてBRCA1あるいはBRCA2の遺伝学的検査を実施
する際の考え方(日本婦人科腫瘍学会)
・大腸がん診療における遺伝子関連検査等のガイダンス第5版(日本臨床腫瘍学会)
・前立腺癌におけるPARP阻害薬のコンパニオン診断を実施する際の考え方MSI見解書)改訂
第3版 2022年4月 (日本泌尿器科学会)
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
この提案により恩恵を受ける患者は人口希薄な地域のがん患者となるため全体の1割程度と推定した。
見直し前の症例数(人)
20,000人
見直し後の症例数(人)
22,000人
見直し前の回数(回)
20,000回
見直し後の回数(回)
22,000回
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
リストから選択
・オンライン診療
厚労省によるオンライン診療の指針によると情報セキュリティーの安全性、患者の状態を十分に把握している「かかりつけの医師」が行うことと
されている。セキュリティーに関しては近年のオンライン診療の普及により情報通信機器は様々な業者が開発を進めているため問題ないと思われ
る。オンライン診療を行う医師の患者状態の把握に関しては紹介元の医師から十分な患者情報のある診療情報提供書を頂いて検査を行うか判断す
るため許容することが可能と思われる。
・がんゲノムプロファイリング検査
日本臨床腫瘍学会、日本癌治療学会、日本癌学会による「次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス改定
2.1版」で全ての固形癌患者への検査が推奨されている。実施医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関であるがんゲノ
ム医療中核拠点病院、がんゲノム医療拠点病院、がんゲノム医療連携病院で実施される。わが国でCGP検査が保険適用になってから、令和5年2月
で末で3年9か月が経過し、すでに5万例以上がCGP検査を受けていることから、医療技術は既に確立しているといえる。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針に従い、がんゲノムプロファイリング検査に基づく診療体制が整った医療機関
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 薬物療法、病理、遺伝学、バイオインフォマティクス、遺伝カウンセリング、の専門家がいること
性や経験年数等)
その他
・次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス
(遵守すべきガイドライン等その他の ・卵巣癌患者に対してコンパニオン診断としてBRCA1あるいはBRCA2の遺伝学的検査を実施する際の考え方
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
特になし
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
この検査は高度な医療知識を必要とする医療であり、そのため集約化を行い検査が可能な施設を限定したため人口希薄な地域のがん患者に対して
は不平等な検査となっている。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
特になし
特になし
特になし
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
該当なし
区分をリストから選択
番号
技術名
-
具体的な内容
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
増額分:11.4億円
その根拠
増額分:11.4億円
・44万円(診療報酬)x2,000回(対象増加回数)=約9億円
・12万円(診療報酬)x 2,000回(対象増加回数)=約2.4億円
「D006-19 がんゲノムプロファイリング検査(44,000点)」と「B011-5 がんゲノムプロファイリング評価提供料(12,000点)」が2000人の患者に
検査可能となると試算した。
備考
メリットとしてがんゲノム医療空白地域の患者へも平等に医療を受けることができる。
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
特になし
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