提案書21(4001頁~4203頁) (79 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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プレーンテキスト
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・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
1.全身温熱発汗試験(本技術が参照する既保険収載技術)におけるカプセル法との有用性比較 既存の換気カプセル法は発
汗機能そのものを数値として測定しその結果により神経障害を判断するのに対し、本技術は被験者が感知できない微弱電流
の通電により汗腺に集まるイオン量を皮膚コンダクタンスの変化として定量評価する手法である。微弱電流の通電から皮膚
コンダクタンスの変化に到るまで、人為的な要素が無いため定量的、客観的な評価が可能と考えられる。一方換気カプセル
法による計測に際しては運動の指示、温熱刺激及び精神的圧迫等により交換神経を刺激し、その結果としての発汗を測定す
るが慣れなどよる刺激レベルの揺らぎがあり、再現性、定量的測定への影響が考えられる。
2.その他の方法との有用性比較
a.皮膚生検との比較 皮膚生検は非常に侵襲的であり、また染色方法が専門的であり習熟を要する他解析に2-3日を要する
など、実臨床において利用は困難であることよりその比較においては本技術が優れると考えられる。
b.温覚・冷覚検査との比較
患者の自覚によってボタンを押すため、慣れにより精度・再現性に乏しく、また急激な温度変化により不快感を与える場合
があるなどにより本技術が優れるものと考えられる。
c.レーザー誘発電位との比較 検査時間が長いこと、痛みによる不快感があること、機器が高価でありかつ操作が複雑であ
るなどの問題があり、また現状特定の保険適用はない。
本技術はレーザー誘発電位の感度、特異度に若干劣るものの特異度及び神経障害予備群の検出に優れる方法であり、有用性
においては本技術が優れると考えられる。
3.本技術の利用により期待されるアウトカム
家族性アミロイドーシス
診断及び投薬効果の有無の予測が可能となることで無効な投薬の削減とそれに伴う経済的有用性が期待される。
またその他の神経障害については早期介入による重症化の抑止と予後の改善により経済的有用性が期待される。
■その他の神経障害を伴う疾患
糖尿病などに代表される神経障害を伴う疾患は早期に神経障害を検出できれば、その後の適切な介入により増悪抑止や医療
費抑制に効果があると考えられる、
一方早期の神経障害検出の結果が治要に反映されるか否かは患者の協力につなげる医療機関の指導力などにも左右されると
考えられる。
本技術の保険導入に際してはその有用性が反映される環境下での利用が望まれることより、適切な施設要件の設定が必要と
思われる。
検査方法の比較
知られている無髄神経の診断方法(皮膚生検、定量的感覚検査[温覚検査](QST)、定量的発汗測定システム[発汗計検
査]:Q-Sweat、レーザー誘発電位:LEP、本技術:ESC)の感度及び特異度
対照群:254名(女性164名(66.9%)、年齢:50.4±15歳)における結果は、皮膚生検:感度=58%、特異度=91%、QST:感
度=72%、特異度=39%、Q-Seat:感度=53%、特異度=69%、LEP:感度=66%、特異度=89%、ESC:感度 = 60%、特異度 =
89%。
皮膚生検、LEP、QST、ESCの組み合わせでは、感度=90%、特異度=87%となった。
ESCは、手(60.2±16.7 vs. 75.0±8.9 μS、p < 0.0001)と足(70.2±16.5 vs. 81.6±7.0 μS、p < 0.0001)の両群
で、「無髄神経障害確定群」と「無髄神経障害なし群」の間で有意に差があった。検定間の有意な相関は、皮膚生検とESC
の間のみであった(1。
「無髄神経障害確定群」患者において検査結果が得られる割合はLEP 88%, 本技術(ESC)76%, 温覚検査79%、また「無髄
神経障害予備群」ではLEP 71%, 本技術(ESC)47%, 温覚検査34%であった。(2
国内における研究の要約(4
2型糖尿病(DM)の末梢C線維障害と大径有髄線維障害との関係を知るために、末梢C線維機能検査装置スドスキャン本技
術)を用い、2型糖尿病患者168名に於いて本技術による電気化学皮膚コンダクタンス(ESC)と従来の大径線維障害機能検
査である神経伝導検査NCSによる糖尿病神経障害重症度分類(BDC)との関係を調べた。結果、DMのESC低下は左右対称・下
肢優位で、ESC低下度と低下頻度はBDC進行度と密接な正相関を有すること(p<0.001)を確認した。一方、NCS正常DM患者
の約21%がESC低下者であることが判明したことから、本技術はDM足病変の予防や自律神経機能障害の早期発見など、糖尿病
神経障害初期の小径線維障害把握に有効であり、本邦DM診療現場への早期導入が期待される。
3
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の
予定なし
改訂の見込み等を記載する。)
年間対象患者数(人)
453人
国内年間実施回数(回)
453回
⑥普及性
※患者数及び実施回数の推定根拠等
本技術は全身温熱発汗試験におけるカプセル法を一部代替することが考えられるため、社会医療診療行為別統計
6月審査分における全身温熱発汗試験 38回 を年間外挿(×12 )し453回であると考えた
⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
全身温熱発汗試験は平成26年に保険収載され、平成30年に換気カプセル法が留意事項改訂として当該検査に含まれており、
今回希望する本検査が目的及び技術において類似性があること、また本技術の実施においては特段の技術を要しないことな
どより特段の問題は無いと考える。
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
令和3年
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
神経内科医または臨床神経生理学会筋電図認定医及び認定技師または糖尿病専門医が常駐する施設であること
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
医師が直接監視を行うか、又は医師が同一建物内において直接監視をしている他の従事者と常時連絡が取れる状態かつ緊急
事態に即時的に対応できる体制であること。
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)
特になし
⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
非侵襲検査であり問題は無いと考えられる
⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
問題なし
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