参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (161 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html |
出典情報 | 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》 |
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は、それぞれコストが異なる。例えば、低いレベルの
医療機器で使われている薬剤、③ワクチンや自宅
薬剤は、高いレベルの薬剤よりも一般的に費用が
で使用される薬剤で法的に制定されている薬剤に
安くなる。
分けられ、主に以下のものが含まれる。
・予防接種で使用する薬剤(ワクチンなど)
ウ. メディケアパート D1)
・メディケアでカバーされる範囲内の臓器移植術
(ア)メディケアパート D の概要
時に使用される免疫抑制剤
2003 年のメディケア近代化法(MMA:Medicare
・骨粗鬆症注射剤
Modernization Act)成立を受けて、2006 年 1 月 1
・血液凝固抑制剤
日からメディケアパート D がスタートした。従来のメ
・末期腎疾患患者の貧血治療に使用するエリスロ
ディケアパート A またはパート B の加入者(双方へ
の加入者を含む)で、サービス提供地域の在住者
ポエチン製剤
は、処方薬剤給付プログラムとして、パート D プログ
・経口抗がん剤
ラムのうち、外来薬剤給付つき単独プラン(PDP:
・経口制吐剤
Stand-Alone Prescription Drug Plan)あるいは処方
・耐久性医療機器(吸入器、点滴用ポンプなど)
薬剤給付つきメディケア・アドバンテージプラン
を介して使用される薬剤
・在宅ケアで使用される薬剤(吸入器、点滴用ポ
(MA-PD:Medicare Advantage Prescription Drug
ンプなどを介する)
Plan)のいずれか 1 つ(あるいは未加入)を選択でき
・非経口及び経腸栄養
る。2022 年のデータでは、メディケアパート D プロ
・経口末期腎疾患(ESRD)剤
グラム加入者は 4,890 万人であり、外来薬剤給付つ
き単独プラン(PDP)には約 2,580 万人(53%)、処
9)
〇パート C :メディケア・アドバンテージと呼ばれ、
方薬剤給付つきメディケア・アドバンテージプラン
基本的には、民間保険会社などがメディケアから 1
(MA-PD)には約 2,310 万人(47%)が加入している
人あたりの定額を受け取り、その中で各種サービス
10)
。
を包括的に提供する。医療機関へのアクセスを除
く、従来のメディケアの給付内容は最低限担保され
(イ)パート D の運営主体 1)、11)
ている。プランによっては、外来受診時に自己負担
パート D の運営及び実際の薬剤給付は民間の
医療保険会社が担当し、メディケア&メディケイドサ
が課される場合もあるが、パート B の定額負担に比
ービスセンター(CMS)が直接実施することはない。
べて安価になっている。
パート D を施行するにあたって、メディケア&メディ
〇パート D:2006 年 1 月に新しく創設された処方薬
ケイドサービスセンター(CMS)は加入者に提供す
剤給付プランである。処方薬剤を希望するメディケ
べきサービス(保証すべきベネフィット)、フォーミュ
ア受給者は、追加保険料を支払うことで処方薬剤の
ラリーに収載すべき薬剤の範囲、薬価の上限・下
給付を受けることができる。運営は民間保険である
限、地域におけるサービスネットワークの構築、加入
が、メディケア&メディケイドサービスセンター
者に対する情報提供やコミュニケーションの方法な
(CMS)が監督し、加入者の保険料を一部拠出して
ど、パート D の提供者が遵守すべき項目を定めた
いる。プランのカバーする薬剤のリストは「フォーミュ
法令やガイドラインを作成している。例えば、薬剤の
ラリー」と呼ばれ、各プランは独自のフォーミュラリー
フォーミュラリーへの収載に際しては、以下の項目
を有している。メディケア医薬品保険では、通常、医
が含まれている。
薬品をフォーミュラリーの中で「ティア」と呼ばれる異
・6 領域の薬剤(抗がん剤、HIV 治療薬、抗うつ
なるレベルに分類しており、各階層に属する医薬品
薬、免疫抑制剤、抗けいれん薬、抗精神薬)給付
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