参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (210 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html |
出典情報 | 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
て以来、連邦合同委員会(G-BA)は、同じ病気に対
する他の医薬品と比較して、新薬の有益性を評価
(6)価格交渉後の合意価格の透明性
することになった。この評価に基づいて、各製薬会
現在は、早期有用性評価結果に基づく価格交渉
社と法定健康保険(GKV)傘下組織は、ベネフィット
後の合意価格(割引額)が外部の医療専門家等に
に見合った価格について合意している。
もわかるようになっているが、製薬企業は、欧州他
(2) 薬事承認から給付までの流れ(概要)7)
・連邦政府と州政府の役割
1-①にある通り、法定健康保険(GKV)の責
国への影響の懸念からこれに反対し、関係者間で
大きな争点になっていた。この点については、医療
従事者等に限って割引額を公開するという取扱い
任は、主に連邦政府にあり、社会保険の適用範
は継続されることとなった。
囲は、国によって決定される。新薬については、
企業と公的医療保険中央連合会(GKV-
(7)早期有用性評価結果の活用(医師情報シス
Spitzenverband)が合意の上、償還価格が設定さ
テムの活用)
早期有用性評価の結果は連邦共同委員会(G-
れる。その他、医薬品の価格は企業が設定して
BA)のウェブサイトに掲載されるが、内容が専門的・
おり、薬局、卸売業者のマージン額を国が決定
詳細で読みにくいという批判があった。評価結果を
する。法定健康保険組合により、参照価格の他、
関係者(特に処方医師)にわかりやすく情報提供す
メーカー割引、薬局割引製薬業界と健康保険基
ることの重要性については関係者の意見が一致し
金との割引契約によって各割引が定められてい
ており、最近、個々の製品の評価結果をわかりやす
る。
くまとめた資料が連邦共同委員会(G-BA)のウェブ
・薬剤給付(外来)7):疾病金庫による償還の対象と
サイトに掲載され始めた。当該資料には、4 つのカ
なる薬剤は処方箋医薬品であり、償還の対象とな
テゴリー(死亡率、罹患率、健康関連 QOL、副作
る薬剤費は基本的には薬局販売価格に相当する
用)における評価結果がコンパクトにまとめられ、年
額であるが、参照価格が設定された医薬品につい
間の治療コストに関する情報も示されている。現在、
ては当該参照価格が上限となる。すなわち、保険
これらの情報は開業医等が有するソフトウェアにも
医が参照価格を上回る価格の医薬品を処方した
組み込まれ、医師が処方の際に参考とすることが容
場合、患者が通常の患者負担額以外にその超過
易になった。医師情報システムに掲載されている臨
分を支払わなければならない。また、医薬品市場
床試験の主なエンドポイント(上記の 4 つのカテゴリ
再編法(AMNOG)の施行により、2011 年 1 月以後
ー)は矢印を用いてわかりやすく解釈できるように工
にドイツ国内において販売が開始された新薬につ
夫されている。なお、製薬企業には医師情報システ
いては、上市後の早期の段階から、企業と公的医
ムに情報が公開前、1 か月間の確認期間が与えら
療保険中央連合会(GKV-Spitzenverband)との交
れるとのことである。
渉において合意された価格がその実質的な保険
償還価格となる。なお、12 歳未満又は 12~18 歳
7. 薬剤給付
で発達障害がみられる人への処方については、薬
(1)薬剤給付の根拠法(日本の健康保険法に相当
する法律)7)
新薬は、医学的に承認されるだけでなく、法定健
局義務医薬品も償還対象となる。
いわゆるリストプライスは、自由価格によるメーカ
康保険(GKV)システムが費用を負担するよう、その
ー出荷価格に法定の卸・薬局マージンを加算の
有益性を評価されなければならない。2011 年にドイ
上、付加価値税(VAT) を含めた薬局販売価格であ
ツ医薬品市場再編法
る。
(Arzneimittelmarktneuordnungsgesetz)が施行され
208