参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (190 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html |
出典情報 | 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》 |
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この取組みの背景として、1985 年に WHO の医
される。医師や病院での診察を受ける場合や薬局
薬品適正使用に関する専門家会議で作成された
で処方箋を提出する際に使用する。有効期限は 5
「Revised Drug Strategy」が翌年の第 39 回世界保
年間で住所変更がない限り自動更新・交付される。
健総会で採択され、各国政府に国家医薬品政策の
またこのカードは専用アプリからデジタル版の利用
実施が求められ、オーストラリア政府においてもこの
も可能である。
政策の必要性について 1988 年の「Health for All
Australians」に示された。1991 年にはオーストラリア
② メディケアセーフティネット 4)
メディケアセーフティネットは、病院以外のサービ
医薬品諮問委員会(Australian Pharmaceutical
Advisory Council:APAC)が設立され、オーストラリ
スにかかる医療費の負担が一定額を上回った場合
ア医薬品諮問委員会(APAC) が中心となって 国家
に給付を受けることができ、オリジナルメディケアセ
医薬品政策(NMP) や投薬管理に関するガイドライ
ーフティネット(Original Medicare Safety Net:
ンの策定が行われることとなった。1996 年に、人々
OMSN)と拡張メディケアセーフティネット(Extended
のニーズに対応した質の高いケア、予防医療と費
Medicare Safety Net:EMSN)の 2 つがある。オリジ
用対効果の高いケアのためのインセンティブ、納税
ナルメディケアセーフティネット(OMSN)はギャップ
者にとってより価値のあるもの、明確に定義された
(メディケア給付 85%とメディケア給付スケジュール
役割と責任、そしてメディケアを通じた基本的な医
(MBS)料金の差)が年間の基準額に達すると院外
療サービスへの普遍的なアクセスの継続について
サービスのメディケア給付がメディケア給付スケジュ
実施すべきとして 国家医薬品政策(NMP) が オー
ール(MBS) 料金の 100%に増加される(2021 年 1
ストラリア政府間協議会(COAG:Council of
月 1 日からの基準額は 481.20 豪ドル)。また、拡張
Australian Goverments) で合意された。この合意に
メディケアセーフティネット(EMSN)は院外のメディ
沿って最適な健康上の成果及び、経済的目標の両
ケア給付の自己負担額が年間の基準額に達する
方が達成されるように、医薬品に関連するサービス
と、暦年の残り期間の自己負担額の 80%または 拡
のニーズを満たすことを 国家医薬品政策(NMP)
張メディケアセーフティネット(EMSN)給付上限まで
の全体の目的としている。
の追加給付を受けることが出来る(2021 年 1 月 1 日
からの基準額は 2184.30 豪ドル)。この制度は、個
人は自動で登録されるが、別途登録を行うことで家
④ 医薬品給付制度(PBS)6)
医薬品給付制度(PBS:The Phamaceutical
族の医療費を合算することが出来る。
Benefits Scheme)が制度化されたのは 1948 年で、
現在とは異なり、年金受給者向け無償医薬品と 139
③ 国家医薬品政策 5)
1999 年に開始となった国家医薬品政策
種類の救命及び疾病予防医薬品の無償提供という
限定的な制度として始まった。今日の医薬品給付
(NMP:National Medicines Policy)は、政府(連邦、
制度(PBS)は、オーストラリアにおける医薬品のタイ
州、準州)、教育者、医療従事者、その他の医療提
ムリーで妥当な価格でのアクセスを確保する制度で
供者及、医薬品業界、医療消費者、メディアが人々
ある。医薬品及び関連サービスのニーズを満たすこ
の医薬品へのアクセスと適正使用に焦点を当て、す
とで、最適な健康と経済目標の両方を達成すること
べての国民のより良い健康に貢献するために、協
を目的とした国家医薬品政策の一部となっている。
力して取組む枠組みである。ここで言う「医薬品」に
は、処方箋医薬品と非処方箋医薬品、ビタミンなど
医薬品給付制度(PBS)による給付の対象となる
のサプリメント、ハーブ、ホメオパシー製品等の補完
のは、メディケアカードを所持している人々で、処方
的なヘルスケア製品が含まれる。
箋を提出する際に、薬剤師に提示する必要がある。
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