参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (186 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html |
出典情報 | 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》 |
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(5) 供給不足に陥った場合、納入価格、薬事承認で
製造会社の中には、不足のリスクが高い製品の予
の対応など 5)
備品を保有するところもある。これは、混乱や不足が
供給不足の際の各ステークホルダーとその役割
における対応を下記に列挙する。
発生した場合に、短期的な割り当て計画を支援する
可能性がある。しかし、不足が発生した場合、契約
連保政府:医薬品承認
者にのみ割り当てを制限するなど、より積極的な割
大幅な医薬品不足の影響を緩和するため、医薬
り当て戦略が用いられることもある。
品承認段階において、次の 3 つの手段がある。
販売/数量予測:信頼性の高い販売予測を決定
するために、販売とオペレーション間の連携を強
① Drug Product Database(DPD)
化。
カナダ保健省の Drug Product Database(DPD)に
は、カナダでの使用が承認された医薬品に関する
供給パートナー:外部の関係者(契約当事者、流
製品情報が蓄積されている。このデータベースはカ
通業者、購入者など)と、現在の供給状況、シナリオ
ナダ保健省によって管理されており、企業がカナダ
プランニング、需要の変化による影響、通常の製品
供給に影響を与えうる潜在的なリスクの特定などに
保健省に上市を届け出た約 15,000 の認可製品が
ついて定期的に検討を行っている。
含まれている。Drug Product Database(DPD)は、カ
ナダ市場で入手できる可能性のある代替製品を特
供給不足報告サイト:Drug Shortages Canada は、
定するために利用される。
医薬品サプライチェーン全体の関係者にとって、重
② 迅速な審査プロセス
要な供給不足の通知および情報ツールである。
2012 年以降、業界団体が自主的に供給不足報告
迅速審査プロセスでは、カナダ保健省は代替医
サイトである Drug Shortages Canada を管理してい
薬品へのアクセスを可能にするために、医薬品申
請の審査を迅速化することができる。迅速審査で
る。2016 年、カナダ保健省は新たな規制を導入し、
は、企業からの申請は不要である。なお、迅速審査
医薬品メーカーに供給不足だけでなく、製造中止も
プロセスはレギュレーションで規定されたものではな
Drug Shoratages Canada で報告することを義務付け
い。
た。メーカーが予想されるすべての供給不足と実際
の供給不足をタイムリーに、包括的に掲載し、市場
➂スペシャルアクセスプログラム(SAP)
への復帰日、医薬品の仕様、不足原因などの情報
スペシャルアクセスプログラム(SAP)は、従来の治
を掲載することは、供給不足への協調的で適切な
療法が無効、不適当、または入手不可能な場合に、
対応を確保するために不可欠である。
重篤な患者を治療するための非市販医薬品を医師
に提供するものであり、カナダ国内で販売または流通
事業継続計画(BCP):一部のメーカーは、すべ
することができない医薬品を販売することをメーカー
てのベンダーと販売パートナーが事業継続計画
に許可するものである。スペシャルアクセスプログラム
(BCP)を持っている。事業継続計画(BCP)は、長
(SAP)の対象となる医薬品には、医薬品、生物学的
期的な供給の途絶を最小化するのに役立つだけで
製剤、放射性医薬品が含まれる。ほとんどの状況に
なく、卸売業者との取引在庫を積極的に監視するこ
おいて、スペシャルアクセスプログラム(SAP)は異な
とができる。
る管轄区域の施設(例:海外拠点)で製造されている
製品へのアクセスを提供する。
代替品:短期的な需要格差を一時的に緩和する
ために、代替メーカーや代替療法を見つけることが
連邦政府:GMP 検査と Establishment Licence(EL)
ある。
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