いずれの限定出荷も JGA 企業で件数が多かった。

不 足 の可 能 性 がある場 合 については、5 営 業 日

医 薬品 卸 については、件 数が極めて多 かった。こ

以内に情報提供している企業数は少なかった。

れらの結 果 から、近 年 の供 給 不 足 の構 造 が、
これらからは 、実 際 に 供 給 不 足 に 陥 った場 合

JGA 加 盟 企 業 を 中 心 に 自 社 原 因 の 供 給 不 足

にタイムリーな情報入手ができること（ 5 営業日以

「 限 定 出 荷 （ 自 社 事 情 ） 」 が生 じ、それが長 期 収

内 ） とともに、供 給 不 足 の可 能 性 のある場 合 にも

載 品 に影 響 を与 えて「 限 定 出 荷 （ 他 社 事 情 ） 」 に

タイムリーな情 報 提 供 のルール策 定 について検

繋 がり、それらをすべて扱 う医 薬 品 卸 に極 めて大

討 が必 要 と思 われた。製 薬 企 業 から薬 局 への情

きな影 響 を与 えていることが示 された。医 療 機 関

報提供タイミングは、MR の薬局訪問頻度の問題

については、薬 局 、医 療 機 関 （ 病 院 薬 剤 師 調 査 、

もあり、よりタイムリーな情報提供が必 要であり、公

医師調査結果に基づく）とも、供給不足の経験割

的 サイトもその一 つとしての検 討 の必 要 があるも

合 は極 めて高 いものの、医 薬 品 卸 に比 べ供 給 不

のと考えられた。

足件数は少なかった。

一方、製薬企業については、JGA、製薬協の

なお、製薬企業のうち、製薬協、JGA のいずれ

いずれにも加盟していない企業は、各団体への

にも加 盟 していない非 加 盟 企 業 では、供 給 不 足

加盟企業に比べ情報提供の割合が低かった。情

件 数 が少 ない（ 「 なかった」 の割 合 も高 い） 傾 向 で

報提供タイミングでも、実際の供給不足、供給不

あった。非加盟企業は、従業員数、MR 数も少な

足の可能性とも、「5 営業日以内」、「1～2 週間

く、製 造 販 売 承 認 取 得 品 目 数 も少 ない小 規 模 企

以内」 の割合が低く、業界団体非加盟企業から

業 であることが示 されている。こうした小 規 模 企 業

の情報提供ルール遵守が求められる。

は、もともと取 引 医 療 機 関 ・ 薬 局 も限 定 されており、
他社で限定 出荷が起きたとしても、自社の取引 に

供給情報に関するニーズを考察するために、

は影響が小さいことが推察された。

供給不足情報における問題点、供給情報提供
の課題について調査した。医師、薬剤師は、「次

供給情報については、医師、薬剤師とも、多く

の納品タイミング」や「供給可能量」などを問題と

が、医薬品卸を情報源として最も多く挙げてお

する割合が高かったが、「流通状況（他医療機

り、また、卸からの情報提供の方が速やかである

関・薬局等）」がわからないことを問題とする意見

ことも示された。医師、薬剤師とも、卸からの情報

も多かった。医薬品卸でも、「予定解消時期」、

提供を利用している割合が高い理由としては、医

「供給可能量」がわからないことを問題とする意見

薬品卸の担当者（MS だけでなく、配送担当者も

が上位であった。これらからは、流通在庫情報と、

含め）、日常的に医療機関、薬局訪問の機会が

供給不足解消時期や次回納入時期・量などに

多いことが背景にあるものと推察される。特に薬

ついて、供給情報のニーズがあると考えられた。

局については、MR の訪問頻度が低いことも指摘
されている（調査票設計のための薬局ヒアリング、

製 薬 企 業 における情 報 提 供 の課 題 からは、加

研究班会議議論などに基づく） 。

盟 団 体 により問 題 とする割 合 に違 いがあったが、
「 医 療 関 係 者 への周 知 」 、「 取 引 先 への周 知 」 、

情 報 提 供 のタイミングについてみると、薬 剤 師

「 問 い合 わせ対 応 等 の時 間 、人 手 」 を問 題 とする

は、入 手 困 難 が発 生 した場 合 には、概 ね半 数 が

回 答 が多 かったが、これらからは、関 係 者 の閲 覧

5 営業日 以 内の情 報提 供を希望 している一方 で、

につなげることが必要と思われる。

製 薬 企 業 は、実 際 に供 給 不 足 に陥 った場 合 、５
営 業 日 以 内 で の 情 報 提 供 は 、 MR に よ る が 約

供給情報として求められる項目、提供可能な

40％、自社 HP によるが約 58％であったが、供給

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