参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (181 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html |
出典情報 | 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》 |
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多くの州で、医薬品メーカーは、定価に織り込ま
れていないリベート(ボリュームディスカウント等)を
給付を提供する 18)。
薬局に提供している 17)。ジェネリック医薬品の場
・先住民とイヌイット
合、これらのリベートは非常に大きく、通常ジェネリッ
・カナダ軍の資格のあるもの
ク医薬品のコストの 60〜80%に相当する。カナダの
・カナダ退役軍人省の資格のある退役軍人
2 大州であるオンタリオ州とケベック州では、このよう
・王立カナダ騎馬警察のもの
なリベートは禁止されている。ただし、即納割引、数
・連邦矯正施設の犯罪者
量割引、流通サービス料などの特定の「通常の商業
各州・準州政府は、対象となるグループに対して
条件」については、一般的な禁止事項の例外として
医薬品給付プランを提供している。所得に応じた普
いる。
遍的なプログラムもあり、多くは、高額な薬剤費に対
してより充実した補償を必要とする人のための特定
3.薬剤給付(州政府)
のプログラムを持っている。これらのグループには、
高齢者、社会扶助の受給者、高額な薬剤費に関連
(1)薬剤給付の根拠法 4)
医療サービスの管理および提供は、カナダ保健
する病気や症状を持つ人などが含まれる 19)。
法の規定に基づき、各州または準州が運営の責任
公的資金による医薬品プログラムは、一般的に、
を負っている。州および準州は、連邦政府から財政
年齢、収入、病状に基づいて、最も必要としている
移転の形で支援を受けながら、これらのサービスに
人々に医薬品プランを提供する。多くのカナダ人と
資金を提供している。医療サービスには、保険診療
その家族は、雇用と連動した医療保険に加入して
によるプライマリーヘルスケア(医師やその他の医
いるが、一部のカナダ人は有効な医療保険がなく、
療専門家のサービスなど)と病院でのケアが含ま
処方箋医薬品の費用を全額負担している場合もあ
れ、これらは州や準州の医療費の大部分を占めて
る 4)。
いる。
例えば、ブリティッシュコロンビア州の公的医薬品
州や準州はまた、処方薬など、法律でカバーされ
ていない補足的な医療給付を一部のグループに提
計画は、BC ファーマケア(BC PharmaCare)といい、
供している。補足的な給付の対象となるレベルや範
12 のプランからなる。フェアファーマケア(Fair
囲は、管轄区域によって異なる。ほとんどのカナダ
PharmaCare)は、ブリティッシュコロンビア 州の住民
が多くの処方箋医薬品や調剤費用、一部の医療機
人は、公的および/または私的な保険プランのパッ
器や備品の支払いを支援しており、適用範囲は、収
チワークを通じて、処方箋医薬品に対する保険にア
入に基づいていて、収入が少ないほど、より多くの
クセスすることができる。
支援を受ける事が可能である。このように、所得や
先住民、特定の疾患領域(精神科、緩和ケア等)毎
(2)薬事承認から給付までの流れ 18)、19)
のプランがあり、複数のプランに加入することができ
先発医薬品は、カナダ保健省によって承認され
る。最初に 100%補償 のプラン(プラン B、C、D、F、
ると、その後カナダ医薬品・医療技術庁 (CADTH)
P、W、Z)が適用され、次に フェアファーマケアが残
により、医療技術評価を受ける。カナダ医薬品・医
りの適格な費用を負担する仕組みであり、医薬品の
療技術庁は審査プロセスを通じて、医薬品に関する
給付のためには、該当プランに加入している必要が
臨床的、経済的といった客観的な評価を総合的に
ある 20。
実施し、その医薬品が公的に償還されるべきか、連
邦、州(ケベック州を除く)、準州の公的医薬品計画
オンタリオ州の ODB(Ontario Drug Benefit )プロ
に勧告される。
グラム は、カナダで最も寛大な薬物給付プログラム
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