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参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (167 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html
出典情報 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》
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なり抑えられているようである。ただ、実際の乖離率

合、製薬企業は WAC(Wholesale Acquisition Cost)

は薬局によって異なっており平均値は把握できなか

から 4.5%ディスカウントされた価格で卸に販売する

った。また、一般にディスペンシングフィーとして広く

(卸の売差は基本的に 0.5%)。なお、3 大卸が市場

公開されているのは、処方 1 回あたり 1.5~2 ドルで

の 85%~90%を占めている。

あるが、実際には 9~12 ドル程度

33)

である。
・第 2 段階(卸から小売薬局への医薬品販売)

「2021 全国地域薬剤師会(NCPA:National

小売薬局の医薬品購入価格を正確に把握するこ

Community Pharmacists Association) DIGEST」34)

とは困難であるが、WAC(Wholesale Acquisition

によると、2020 年時点で会員薬局(大手チェーンド

Cost)を基準に数%ディスカウントされた価格で販売

ラッグストアやメールオーダー等を除く平均的な小

している。また、小売薬局-卸間取引では、卸から

売薬局)では年間平均 57,678 枚の処方箋を扱って

先発医薬品を購入する際にある程度のジェネリック

おり、ジェネリック医薬品の処方割合は 86%であっ

医薬品も併せて購入するという付随条件がつくこと

た。平均チャージは 55.96 ドルである。また、1 薬局

が多い。その理由は、卸が得るマージン(粗利益

あたり平均売上高は 346.0 万ドル、売上高のうち、

率)が先発医薬品に比べジェネリック医薬品の方が

販売コストが 78.1%(12.9%は人件費)であり、薬局

高いからである(先発医薬品 1.0%に対し、ジェネリ

全体の総利益率は 21.9%であった。

ック医薬品は 18.5%、全体では 3.7%)。また、2018
年、全国地域薬剤師会(NCPA)によると、場合によ

なお、73%の薬局でメディケアパート D による薬

っては、取引量に応じた年間値引き又はリベートが

物治療管理業務(MTM:Medication Therapy

発生する場合もある。

Management)を実施している。
・第 3 段階(薬剤給付管理事業者(PBM)から小売
3. 薬剤給付(州政府)

薬局への薬剤給付にかかる費用の償還)
35)

一般的に保険者は、薬剤給付管理事業者(PBM)

米国では医薬品の価格は、民間保険や薬剤給付

と契約を結んでいる。薬剤給付管理事業者(PBM)

管理事業者(PBM)、製薬会社、政府など多様な取

は保険者が行う処方薬剤給付にかかる償還業務を

引主体による交渉で決まっている。薬価については

代行している。薬剤給付管理事業者(PBM)から小

さまざまな指標が存在するものの、市場実勢価格を

売薬局への薬剤給付にかかる償還価格の基準に

把握することは困難である。

は AWP (Average Wholesale Price:製薬企業が希

(1) 薬剤給付の根拠法

望する卸売価格)が採用されていることが多い。

(2) 薬事承認から給付までの流れ(概要)1)、35)
米国における医薬品の一般的な流通段階及び

2018 年度の全国地域薬剤師会(NCPA)の調査に
よると、調剤フィーの平均的な価格は処方箋 1 枚あ

外来薬剤給付にかかる保険償還プロセスは以下

たり約 10~12 ドルだった。・第 4 段階(患者から小

の通りである。

売薬局への一部負担金の支払い)

・第 1 段階(製薬企業から卸への医薬品販売)

小売薬局で処方箋薬の交付を受ける際に患者が

WAC(Wholesale Acquisition Cost:製薬会社が設

支払う一部負担金は、保険のプランによって異な

定する卸売価格)を基準にして種々の条件が付随

り、無保険者に対しては U&C(usual and

する。例えば、30~34 日以内の早期支払に対する

customary)による現金支払が適用される。

2%ディスカウントの適用、あるいは卸が製薬企業に
提供する付加価値サービスに応じて対価を支払う

・第 5 段階(保険者から薬剤給付管理事業者

(ディスカウントを付与する)サービス料金プラン

(PBM)への支払い)

(FFS)方式の仕組みなどがある。先発医薬品の場

薬剤給付に関する償還を代行した薬剤給付管理

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