参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (191 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html |
出典情報 | 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》 |
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(PBAC)はオーストラリア政府によって任命された独
ている場合は支払い上限額がさらに低くなる。また、
立した専門家組織で、医師、医療専門家、医療経
退役軍人省(DVA:Department of Veterans' Affairs)
済学者、患者代表で構成される。通常年 3 回(3
の助成を受けた帰還医薬品給付制度
月、7 月、11 月)の定例会議が開催されている。医
(RPBS:Repatriation Schedule of Pharmaceutical
薬品給付諮問委員会(PBAC)は、非医療的治療を
Benefits)は、別途資格に応じてゴールド、ホワイト、
含む他の治療と比較した臨床的有効性、安全性、
オレンジのカードが発行されており、提示することで
費用対効果も検討する。医薬品給付制度(PBS)に
優遇された料金で調剤を受けることが可能となって
基づいて処方される医薬品に適用される可能性の
いる。
ある最大量、反復回数、及び制限を推奨する場合
もある。医薬品給付諮問委員会(PBAC)の会議後
患者自己負担額は、消費者物価指数
は結果として、償還の推奨・償還の非推奨・判断の
(CPI:Consumer Price Index)に従い毎年 1 月 1 日
延期のいずれかになる。
に調整され、2023 年 1 月以降は医薬品給付制度
(PBS)の医薬品で最大 30.00 豪ドル、優遇カードを
償還の推奨となった新薬の 80%は医薬品給付制
所持している場合は 7.30 豪ドルまで支払うことにな
度(PBS)に登録され、予算への影響と価格が合意
っている。2016 年 1 月以降、薬剤師の裁量で医薬
されてから 6 ケ月以内に利用できるようになる。この
品給付制度(PBS)患者の自己負担額を最大 1.00
医薬品アクセスの公約に対する年間実績は、保健
豪ドル割引することが可能である。
省の年次報告書で入手可能で、2018 年から 2020
年にかけて、同部門は推奨となった新薬の 6 ケ月
オーストラリアの薬局で調剤される処方箋のほと
月以内の医薬品給付制度(PBS)リスト登録につい
んどは、医薬品給付制度(PBS)を通じて給付を受
て 100%達成している。
けている。給付対象となる医薬品は医薬品給付制
度(PBS)リストに登録されているものに限定されて
られるが、医薬品給付制度(PBS)リストに登録され
(3)薬剤給付(カバー):入院、外来、カバーの範囲、
個人負担(民間保険の役割)7
メディケアはオーストラリアの医療制度の基礎であ
ていない処方薬は全額自己負担となる。また、医薬
り、多くの医療費をカバーしており、患者はメディケ
品給付制度(PBS)リストに登録されている医薬品で
アの補償のみか、メディケアと民間の健康保険の組
あっても、医薬品給付制度(PBS)による処方制限が
み合わせかを選択できる。
おり、メディケアカードを提示することで給付を受け
ある。医療製品管理局(TGA:Therapeutic Goods
Administration)による薬事承認に準拠した治療目
メディケアの下では、公立病院の公立の患者とし
的であれば医薬品給付制度(PBS)の制限なしに処
て、病院が任命した医師によって無料で治療を受
方できるが、医薬品給付制度(PBS) における制限
けることができる。民間保険に加入している場合で
対象の医薬品は患者の臨床症状が治療目的に合
も、公的な患者として治療を受けることを選択でき
致すると医師が認めた場合にのみ処方可能となっ
る。公立の患者として、自分で医師を選ぶことはで
ている。医師はこの制限に沿って処方されているこ
きず、公立病院の待機リストに入れられる可能性が
とを確認する必要がある。
あるため、いつ入院するかを選択できない場合があ
る。
医薬品給付制度(PBS)リストへの登録・変更は、
病院外の医師の診察を受けた場合、メディケア
保健省内の組織である医薬品給付諮問委員会
(PBAC:Pharmaceutical Benefits Advisory
は、一般開業医にはメディケア給付スケジュール
Committee)で検討される。医薬品給付諮問委員会
(MBS) 料金の 100% を、専門医が提供するサービ
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