社会保障 (124 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20241113zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(11/13)《財務省》 |
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○ 一定以上の賃金を得ている65歳以上の老齢厚生年金受給者を対象に、当該老齢厚生年金の支給を停止する仕組み(在職
老齢年金制度(在老))について、高齢者の就労を促進する等の観点から、その見直しが議論されている。
○ 在老の縮小・撤廃は年金給付の増加を通じた所得代替率の低下に繋がることが確認されており、低中所得者の給付水準を低下
させる一方、一部の高所得者への給付を増加させることになる(支給停止の対象者は受給権者全体の1.7%)。
◆ 支給停止の対象者
賃金(総報酬月額相当額)と年金の合計の階級別 在職老齢年金受給権者(65歳以上)の構成割合 (2022年度末)
(%)
8.0
7.0
支給額のイメージ(令和6年度・老齢厚生年金が月額10万円の場合)
6.2
6.0
賃金と年金月額(支給停止
相当分を除く)の合計額
在職停止者数 50万人
在職受給権者数(308万人)の16%
(受給権者(2,845万人)の1.7%)
支給停止対象額 約4,500億円
4.5
4.0
3.2
3.0
2.0
5.3
4.4
4.0
50万円
6.0
5.4
5.0
60万円
65歳以降の在籍している年金受給権者 308万人
7.0 7.0 6.7 6.6
3.6
3.1
2.4
2.7
2.4
2.6
2.2
1.3
1.2
1.1
0.9
1.0
賃金(ボーナス
込み月収)
高在老の撤廃
【参考】65歳以上の在職老齢年金の支給停止基準額を変更した場合の影響
(2022年度末データ)
支給停止基準額
支給停止者数
支給停止額
支給停止基準額
見直しによる給付増
所得代替率への影響
現行
[2022年度 47万円]
50万人
(16%)
4,500億円
ー
比例:▲0.5%
53万円
37万人
(12%)
3,600億円
900億円
※基礎は影響なし
56万円
33万人
(11%)
3,200億円
1,300億円
59万円
29万人
(10%)
2,700億円
1,800億円
62万円
27万人
(9%)
2,300億円
2,200億円
65万円
25万人
(8%)
1,900億円
…
…
…
…
撤廃
ー
ー
4,500億円
【参考】高在老の撤廃による給付増
(報酬比例部分)
2030年度:5,200億円
2040年度:6,400億円
2060年度:4,900億円
※賃金上昇率により2024年度の価格に換算したもの
0.7 0.8
2,600億円
(出所)第16回社会保障審議会年金部会(2024年7月3日)資料
~80万円
~78万円
~76万円
~74万円
~72万円
~70万円
~68万円
~66万円
~64万円
~62万円
~58万円
~54万円
~52万円
~50万円
~48万円
~46万円
~44万円
~42万円
~40万円
~38万円
~36万円
~34万円
~32万円
~30万円
~28万円
~26万円
~24万円
~22万円
~20万円
~18万円
~16万円
(出所)第51回経済・財政一体改革推進委員会 社会保障ワーキング・グループ(令和6年11月5日)
資料2「改革工程表2023や骨太の方針2024に関する主な取組みについて(社会保障分野①)」を一部修正
80万円以上
◆ 在老見直しによる所得代替率への影響
~14万円
60万円
~12万円
40万円
0.5 0.5 0.4 0.5 0.6 0.5 0.5 0.6 0.6
2.4
0.0
~10万円未満
10万円
0.7 0.6
~60万円
賃金 + 老齢厚生年金> 50万円(令和6年度)
賃金上昇額の1/2相当の厚生年金保険給付を支給停止
~56万円
◆ 制度概要
◆ 標準報酬月額の上限見直しによる所得代替率への影響
上限該当者数(注1)
保険料収入の増加額(注2)
※()内は上限該当者の割合
※()内は事業主負担分
現行
65万円
259万円
(6.2%)
ー
ー
上限の見直し①
75万円
168万円
(4.0%)
4,300億円
(2,150億円)
比例:+0.2%
上限の見直し②
83万円
123万円
(3.0%)
6,600億円
(3,300億円)
比例:+0.4%
上限の見直し③
98万円
83万円
(2.0%)
9,700億円
(4,850億円)
比例:+0.5%
標準報酬月額上限
所得代替率への影響
※基礎は影響なし
※基礎は影響なし
※基礎は影響なし
<参考>
上限該当者に係る
老齢厚生年金の給付増(注4)
※10年間、見直し後の標準報
酬上限に該当した場合の例
6.1万円/年
(終身)
11.0万円/年
(終身)
20.1万円/年
(終身)
注1:上限該当者数は2022年度末時点における現行の上限(65万円)該当者数259万人(1号厚年のみ)を、「健康保険・船員保険被保険者実態調査(令和4年10月)」による健康
保険・船員保険の標準報酬月額等等級別被保険者数の分布をもとに案分して推計。()内は被保険者全体(4,200万人)に占める上限該当者の割合。
注2:保険料収入の増加額は満年度1年分。2022年度末時点におけるデータをもとに試算したもの。
注3:所得代替率への影響は、過去30年投影ケースにおける給付水準調整終了後の所得代替率への影響を示している(人口の前提は、出生低位・死亡中位・入国超過数16.4万人)。
過去30年投影ケース(出生低位・死亡中位・入国超過数16.4万人)における給付水準調整終了後の所得代替率(比例):
※()内は調整終了年度
[現行]23.9%(2031年度)→[上限の見直し①:75万円]24.2%(2030年度)、[上限の見直し②:83万円]24.3%(2030年度)、[上限の見直し③:98万円]24.5%(2029年度)
なお、成長型経済移行・継続ケースや、過去30年投影ケース(出生中位・死亡中位・入国超過数16.4万人)においては、現行制度の下で報酬比例部分の調整がかからない(又は
調整期間が短い)見通しとなっているため、所得代替率への影響を計測することができない。
注4:見直し後の上限該当者について令和6年度の年金額を前提として試算したもの。
(出所)第16回社会保障審議会年金部会(2024年7月3日)資料
【改革の方向性】 (案)
○ 高齢者の就労促進の観点から在老を見直す場合、低中所得者への影響(所得代替率の低下や所得再分配の観点)を踏ま
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えた対応も併せて検討すべき。