社会保障 (58 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20241113zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(11/13)《財務省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
医師偏在対策
○ 日本の医師数は、1980年代以降の「一県一医大構想」に基づく医学部の新設・定員増や、2000年代に入ってからの臨時枠を含めた定員増
などの対応により、一貫して増加を続けている。医師には定年がないこともあり、人口減少や医療ニーズの変化が想定されるにも関わらず、このま
ま医学部定員を抑制できなければ、早晩、医師数が過剰となることが見込まれる。
○ 医療現場を支える専門人材である看護職やリハ職の数も増加を続けており、また、高齢者の医療・介護の複合ニーズを支える介護サービスの充
実も図られていることを踏まえれば、限られた地域人材を最大限活用し、2040年を見据えた医療提供体制を構築する観点からは、地域偏在
対策を講ずることは当然としても、日本の医師数をこのまま単純に増加させていくことは適当ではないと考えられる。
◆医師の需給推計(2020年の医学部定員を前提)
◆医学部定員の推移と人口10万人対医師数
医学部定員数
医師数
(人)
(人/人口10万人対)
2024年度
医学部定員数
9,403人
10,000
(人)
390,000
300
380,000
9,000
250
8,000
7,000
200
6,000
370,000
360,000
2029年頃に
約36万人で均衡
医師の供給推計
需要ケース1
需要ケース2
350,000
5,000
150
340,000
需要ケース3
4,000
100
3,000
医師数(人口10万人対)
2,000
医学部定員
1,000
地域枠等
(年)
320,000
50
2020 2022 2024 2026 2028 2030 2032 2034 2036 2038 2040
地域枠等を要件とした臨時定員
0
330,000
0
36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 元 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 元 3 5
※ 地域枠等:地域医療に従事する医師を養成することを主たる目的とした学生を選抜する枠
(注) 供給推計 今後の医学部定員を2020年度の9,330人として推計。
需要推計 労働時間、業務の効率化、受療率等、一定の幅を持って推計。
・ケース1(労働時間を週55時間に制限等≒年間720時間の時間外労働相当)
・ケース2(労働時間を週60時間に制限等≒年間960時間の時間外労働相当)
・ケース3(労働時間を週78.75時間に制限等≒年間1860時間の時間外相当)
(出所)厚生労働省「第2回医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」(2024年2月26日)資料を一部加工
【改革の方向性】(案)
○ 医師偏在対策の策定と併せて、「骨太の方針2024」において、「2026年度の医学部定員の上限については2024年度の医学部定員を超えない範
囲で設定するとともに、今後の医師の需給状況を踏まえつつ、2027年度以降の医学部定員の適正化の検討を速やかに行う」とされたことを踏まえた対
57
応が必要。その際、日本の社会経済全体での人材の有効活用との観点も踏まえて、医師の担うべき業務の重点化や包括化を進めることも不可欠。