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規制改革推進に関する答申(令和5年6月1日) (104 ページ)

公開元URL https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html
出典情報 規制改革推進に関する答申(6/1)《内閣府》
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価が近い将来実施される見込みの魚種から順次拡大する方針だが、「TAC魚種
拡大に向けたスケジュール」で示されたスケジュールと実際の開催状況を比較す
ると資源管理手法検討部会等に遅れがみられる。目標を達成するため、TAC魚
種拡大の検討プロセスを加速させる取組が必要である。
太平洋クロマグロはTAC対象魚種であるとともに、国際的な枠組みで資源管
理が行われている魚種であるが、適切な資源管理が行われた結果、資源が回復し
ており、厳格な資源管理の規制に対応している漁業者の中にも、資源管理による
資源回復を評価する意見がある。こうした成果を他の魚種に広げていくことが必
要である。
一方で、我が国において、漁業法違反である太平洋クロマグロの漁獲量未報告
事 案 が 発 生 し 、 漁 業関 係 者 が 逮 捕 さ れ る事 態 が 生 じ た 。 I UU ( Illegal
Unreported Unregulated:違法・無報告・無規制)漁業対策は、持続可能な開発
目標(SDGs)にも位置付けられ、国際社会が取り組んでいる中で、今回の事
件で漁獲報告等の管理体制の問題が浮き彫りとなり、本来、好事例であるはずの
太平洋クロマグロの資源管理に関する我が国の国際交渉への影響も懸念される。
また、大西洋クロマグロの資源管理は、漁船ごとの漁獲割当て、タグ付けによる
個体番号表示、毎日の漁獲報告、陸揚げ港の指定、陸揚げ時の水産庁検査官によ
る立会・検査などの厳格な取組が行われており、大西洋クロマグロと太平洋クロ
マグロのイコールフッティングを求める意見もある。
このような状況の中で、今後、報告義務の厳格化などの水産資源管理の見直し
とともに、対象魚種の拡大など、特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関す
る法律(令和2年法律第 79 号)の制度の見直しを含め、対策のあり方を検討し、
早急に実行していく必要がある。あわせて、このような資源管理の強化を進めて
いくためには、消費者、流通業者、漁業者等の関係者の理解を深めて、資源管理
を適切に実施していくための環境づくりを行う必要がある。その際、水産のサプ
ライチェーン全体における適正な価格形成に向けて、適正な取引の推進と適正な
価格転嫁への理解醸成を図るという視点も重要である。
また、小売大手企業等では、SDGsの観点から、IUU漁業由来の水産物を
排除することや持続可能な調達の担保のため、持続可能な調達原則や方針等を策
定するなどの取組を行っている。IUU漁業に間接的・非間接的に加担してしま
うリスクを排除するため、適切な管理の下で漁獲された水産物であることが認証
された水産エコラベル商品の取扱いや製造・加工・流通の全ての過程において非
認証水産物の混入を防止しトレーサビリティが担保されたCоC(Chain of
Custody:流通加工段階)認証制度の取得に取り組んでいるが、取扱商品の全て
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