提案書15(2801頁~2999頁) (152 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
見直し前の症例数(人)
0人
見直し後の症例数(人)
9000人
見直し前の回数(回)
0回
見直し後の回数(回)
9000回
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
厚生労働省の平成28年歯科疾患実態調査では65~69歳では4.6%がインプラント治療を受けていると報告されており、高齢者3000万人の約3%、約
90万人がインプラント治療を受けていると考える。またインプラント周囲炎の患者単位の発症頻度の報告は10~20%であることから、その中のイ
ンプラント周囲炎の罹患率は患者単位で10%程度と推察すると、約9万人のインプラント周囲炎患者が考えられる。歯科医院への受診率10%と考
えると、約9000人がインプラント周囲炎に対する治療を受けると予測する。
インプラント体表面のデブライドメントには、各種器具や機器が使用されるが、基本的な手技は天然歯の剥離搔爬手術に準じる。歯肉粘膜を剥離
する必要から難抜歯や歯周外科手術などの切開、剥離、縫合などの技術を取得していることは望ましい。
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 なし
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 なし
性や経験年数等)
(公社)日本口腔インプラント学会編「口腔インプラント治療指針2020」
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 日本歯科医学会編「歯科インプラント治療指針」
日本歯周病学会編「歯周病患者における口腔インプラント治療指針およびエビデンス2018」「歯周治療のガイドライン2022」
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
広範囲顎骨支持型装置搔爬術として保険導入されており、安全性に問題はない。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
倫理性の点で問題は認められない。
インプラント周囲炎の治療に、天然歯の剥離搔爬術に準じた、表面のデブライドメント処置が保険導入されれば、インプラントの延命につなが
り、重症化を防ぐことによって医療費を抑制し,結果的にQOLの持続的な維持と全身の健康にも有益である。他の医療機関において自由診療で埋
入されたインプラントの術後管理を保険でカバーすることになるが、これまでインプラント難民として、見捨てられてきた非常に少数の社会的弱
者の救済の社会的妥当性は極めて高いと考えられる。
⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
見直し前
見直し後
その根拠
区分
J
番号
技術名
82
歯科インプラント摘出術
具体的な内容
本技術の導入によりインプラント周囲炎の進行を抑制できることから、対象患者において歯科インプラント摘出術を要する件数が減少すると見込
まれる。
減(-)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
約180万円
その根拠
高齢者3000万人の約3%がインプラント治療を受けていると考え、その中のインプラント周囲炎の罹患率は患者単位で10%程度と推察されること
から、約9万人のインプラント周囲炎患者が考えられる。歯科医院への受診率10%と考えると、約9000人がインプラント周囲炎の大臼歯の搔爬点
数(SRPに準じる)72点の治療を受けると予測すれば、72点×10円×9000人=648万円の増加となる。一方そのうちの約20%の患者1800人は、本技
術の導入によりインプラントの長期機能維持が図られ、咀嚼機能の維持による全身的健康増進に基づく医療費の抑制、咬合支持の保持による残存
歯への外傷性病変の予防が見込まれる。また、インプラント周囲炎による歯科インプラント摘出術費用の削減も見込まれる。その額はインプラン
ト体除去手術460点×10円×1800人=828万円の削減となる。よって648万円ー828万円=180万円(概算)の減少を見込んでいる。
備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
なし
⑫その他
なし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
日本口腔外科学会、日本顎顔面インプラント学会
⑭参考文献1
1)名称
インプラントのメインテナンス
2)著者
公益社団法人日本口腔インプラント学会編
3)雑誌名、年、月、号、ページ
口腔インプラント治療指針2020、2020年、医歯薬出版社、76-81
4)概要
長期に渡ってインプラントの機能を維持するためには、インプラント周囲炎への早期の対応が必要であり、進行した場合には、搔爬手術によるイ
ンプラント体表面の処置の必要が記載されている。
2)著者
The Impact of Implantoplasty in Regenerated and Nonregenerated Treatment Modalities in Peri-implantitis: A Systematic Review and
Meta-analysis
Cho-Ying Lin, Zhaozhao Chen, Hong-Lin Chiang, Whei-Lin Pan, Hom-Lay Wang
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Int J Oral Maxillofac Implants. 2022 Sep-Oct;37(5):859-868. doi: 10.11607/jomi.9436.
4)概要
インプラント周囲炎に対する汚染部のインプラント体表面を滑沢にする手術(SRPに準じる処置)の効果をシステマティックとメタ分析で解析し
た。その結果、本手術を行うことで、高いインプラントの残存率が得られ、インプラント周囲炎が寛解することが示された。インプラント周囲炎
に対する粘膜骨膜弁を剥離し、インプラント体表面の汚染物質や不良肉芽の除去等を行う手術の有効性が示されている。
1)名称
⑭参考文献2
2952