提案書15(2801頁~2999頁) (86 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
403202
※事務処理用
提案される医療技術名
下顎無歯顎高度顎堤吸収患者への広範囲顎骨支持型装置埋入手術
申請団体名
公益社団法人日本顎顔面インプラント学会
37歯科・歯科口腔外科
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
令和4年度
提案当時の医療技術名
下顎無歯顎高度顎堤吸収患者への広範囲顎骨支持型装置埋入手術
追加のエビデンスの有無
有
診療報酬区分
診療報酬番号
再評価区分(複数選択可)
J
109
1-A
算定要件の見直し(適応)
1-B
算定要件の見直し(施設基準)
該当する場合、リストから○を選択
○
1-C
算定要件の見直し(回数制限)
該当する場合、リストから○を選択
2-A
点数の見直し(増点)
該当する場合、リストから○を選択
2-B
点数の見直し(減点)
該当する場合、リストから○を選択
3
項目設定の見直し
該当する場合、リストから○を選択
4
保険収載の廃止
該当する場合、リストから○を選択
5
新規特定保険医療材料等に係る点数
該当する場合、リストから○を選択
6
その他(1~5のいずれも該当しない)
該当する場合、リストから○を選択
「6
その他」を選んだ場合、右欄に記載
提案される医療技術の概要(200字以内)
従来の下顎全部床義歯では維持安定を得ることが困難で咀嚼機能回復が改善できない患者のうち,画像診断上で顎堤に高度の吸収を認め,か
つ咀嚼機能検査にて口腔機能低下症と診断された患者に対して,広範囲顎骨支持型装置(インプラント体)を2本埋入し,数か月の免荷期間の
ち,アタッチメントを装着し,可撤性の広範囲顎骨支持型補綴装置(インプラントオーバーデンチャー)を作製する.
再評価が必要な理由
下顎無歯顎患者において,著しい顎堤吸収を認める場合,現状では,①外科的に顎堤形成術と骨移植を行ってから義歯を装着する方法と,②
そのままで全部床義歯を装着する方法の2つしか治療の選択肢がない.前者は侵襲が大きく,術後に創部の治癒を待って義歯を装着するため,
義歯の無い状態で日常生活を行うこと期間が生じるなど問題点が多い.後者では,十分な義歯の安定が得られないため,咀嚼機能の低下だけで
なく,装着時の疼痛や義歯性潰瘍を惹起し著しく患者のQOLを低下させる.当該技術「下顎無歯顎高度顎堤吸収患者への広範囲顎骨支持型装置
埋入手術」は,広範囲顎骨支持型装置(インプラント体)を応用した安全性と予知性に優れた治療法である.基盤とする「広範囲顎骨支持型装
置」ならびに「広範囲顎骨支持型補綴」は,既に2012年より,適用される症例と実施可能施設を限定して保険診療導入されている.高度の顎堤
吸収を有し口腔機能低下症の下顎無歯顎患者への適応拡大は,既存技術に代わる第一選択の治療方法として,低栄養・フレイルの予防および国
民の健康寿命の延伸に寄与するために高い評価が妥当と考える.
【評価項目】
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)
日本補綴歯科学会の「歯の欠損の補綴歯科診療ガイドライン2008」(参考文献1,2)では,「下顎顎堤が高度に吸収した無歯顎者では,従来
の全部床義歯で十分な維持安定を得ることが困難なため咀嚼困難,義歯不適応を生じることがある.このような患者群に対して2本のインプラ
ントを支台とした下顎オーバーデンチャーは,咀嚼機能,発音機能,快適性,口腔関連QOL,下顎の顎堤の吸収と義歯性口内炎の予防について
従来の全部床義歯より有効である」とされている.また,既に欧米では,2本のインプラントを維持源としたインプラントオーバーデンチャー
が下顎無歯顎患者に対する第一選択の治療方法とされていることから、本邦においても「下顎無歯顎高度顎堤吸収患者への広範囲顎骨支持型装
置埋入手術」に高い評価が与えられることが妥当と考える.
令和4年度の申請において,適応症例の基準と適応の根拠が曖昧であるとのご指摘をいただいた.適応基準をAmerican College of
Prothodontistsの無歯顎患者の難易度を示すガイドライン(ACP分類)(参考文献4,5)および口腔機能低下症を,適応症例の基準とし,適応の
根拠として「下顎無歯顎高度顎堤吸収患者への広範囲顎骨支持型装置埋入手術」の有効性を示す文献を示す(参考文献3).
以下の①~③すべてに該当する場合,適応する.
②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項
J
診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
109
医療技術名
下顎無歯顎高度顎堤吸収患者への広範囲顎骨支持型装置埋入手術
治癒率は,10年間の長期予後で,約95%の人工歯根残存率と考えている.その根拠は,自費で行われるインプラントオーバーデンチャーでの
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 10年間の人工歯根残存率に基づいている.死亡率は限りなく0%に近いと考えるが,国内での下顎へのインプラント体埋入手術時に,不適切な手
後等のアウトカム
術方法に起因するドリルの舌側穿孔に伴う動脈損傷による死亡事故が1例報告されている.
③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
年間対象者数の
変化
見直し前の症例数(人)
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
日本補綴歯科学会・補綴歯科診療ガイドライン
る。)
社会医療診療行為別統計調査によると,2021年6月に保険請求された高度下顎顎堤吸収に対する顎堤形成術を実施した症例数は57件で,年間
に換算すると、57件×12か月=684件である.顎堤形成術の侵襲の大きさからを手術を拒否し,不安定な義歯の使用を継続する件数を同数と仮
定すると,年間実施回数(患者数)を約1,350件(人)と推定する.
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