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提案書15(2801頁~2999頁) (51 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

402101
顎関節症検査(顎関節・咀嚼筋検査)
一般社団法人日本顎関節学会
37歯科・歯科口腔外科
リストから選択

関連する診療科(2つまで)
リストから選択

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

令和4年度

顎関節症検査(顎関節・咀嚼筋検査)

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

顎関節症の治療計画立案を目的とした咀嚼筋・顎関節の病態分類を行うための咀嚼筋と顎関節に関する検査である。①顎関
節可動域検査(上下顎切歯間の開口距離、下顎側方・前方運動時の下顎切歯の移動距離の計測)、②顎関節雑音の検査、③
咀嚼筋・顎関節の圧痛検査を行い、その検査結果を基に病態分類し、治療計画を立案、および治療効果の判定を行う。

文字数: 163
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

顎関節症は適切な初期対応で、そのほとんどが改善すると言われている。しかしこれまで系統だった検査を基にした診断な
しに治療が行われてきたため、適切な対応ができず慢性化してしまうケースが存在している。近年、世界的に顎関節症の診
察、検査、病態診断が確立されたことから、日本でもこれを普及させるため、顎関節症検査を保険収載し、適切な検査、診
断、治療を行うことで顎関節症の早期治癒を実現し医療費削減に役立てることが早急に必要である。

文字数: 210
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

顎関節症の咀嚼筋痛障害、顎関節痛障害、顎関節円板障害、変形性顎関節症による咀嚼筋痛、顎関節痛、開口障害、顎関節
雑音に対して全ての年齢において行われる。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

顎関節症の治療計画立案を目的とした咀嚼筋・顎関節の病態分類を行うための咀嚼筋と顎関節に関する検査である。①顎関
節可動域検査(上下顎切歯間の開口距離、下顎側方・前方運動時の下顎切歯の移動距離の計測)、②顎関節雑音の検査、③
咀嚼筋・顎関節の圧痛検査を行う。顎関節症は咀嚼筋、顎関節など運動器の機能障害であり、症状は変化することから客観
的な所見を得ることは難しいため、これらの検査を総合的に判断し、問題が咀嚼筋か顎関節かを評価するとともに、咀嚼筋
の硬結部(トリガーポイント)の確認、顎関節の可動域から関節の左右差、関節円板の復位の有無などを把握し、病態分類
を行い、治療計画を立案、および治療効果の判定を行う。顎関節症と診断された全症例に行うことで不要な口腔内装置使
用、咬合調整、口腔外科処置を減らすことができる。行う時期は初診時及び再評価時(1ヶ月ごと)。

区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)



番号
医療技術名

17
口腔内装置、単独での徒手的顎関節授動術

既存の治療法・検査法等の内容

保険収載されている項目が少ないため顎関節症治療に対し最も行われているのは顎関節症治療用装置(口腔内装置1、2)
であり、これに歯科口腔リハビリテーション2が必要に応じて算定されている。また、その他には、マイオモニターや顎関
節受動術(単独、パンピング併用、顎関節洗浄療法併用)などが行われているが、これらの診断、治療を行うための検査お
よび治療効果確認の検査は保険収載されていない。適切な診察・検査、診断があれば早期に適切な治療が行え、治療成績の
向上が期待される。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

研究結果

現在、顎関節症(Temporomandibular Disorders)に関しては、International Network for Orofacial Pain and Related
Disorders Methodology(INFORM)によりこれまでの研究結果を踏まえ病態それぞれの感度、特異度を割り出し、世界基準と
なる顎関節症の検査法と診断基準であるDC/TMD(Diagnostic Criteria for TMDs)が用いられている。ここでは決められた質
問用紙と診察票をもちいて症状についての診察の後診断、治療計画を立案する。日本でもこれを基に、診察、検査、治療ま
でをまとめた顎関節症治療の指針2020が用いられている。顎関節症は異なった病態からなる包括的診断名であり、それぞれ
の病態により対応が異なるため適切な検査、診断により、適切な治療法を選択することで、無駄な治療を行わず顎関節症の
早期治癒、慢性化防止により医療費の削減が期待できる。

本検査による病態診断を行った場合のそれぞれの感度、特異度については以下のとおりである。咀嚼筋痛に対して感度
0.90、特異度0.99、関節痛に対して感度0.89、特異度0.98、復位性関節円板転位に対して、感度0.34、特異度0.92、開口制
限のある非復位性関節円板転位に対して感度0.80、特異度0.97、開口制限のない非復位性関節円板転位に対して感度0.54、
特異度0.79、変形性顎関節症に対して感度0.55、特異度0.61である。そしてこれらに画像診断を加えた場合、関節円板障
害、変形性顎関節症の感度、特異度は向上する。
5

ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

2851

日本顎関節学会による顎関節症治療の指針2020に診察・検査法と
病態診断および治療について推奨されている。