提案書15(2801頁~2999頁) (192 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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※下記のように推定した根拠
歯科特定疾患療の粘膜疾患に本疾患が追加されたとしても、歯科特定疾患療養管理料の算定の普及性は従来までと大きな変化はないと考える。そ
の理由は、B000-4に掲げる歯科疾患管理料、B000-6に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅰ)、B000-7に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅱ)、
B000-8に掲げる周術期等口腔機能管理料(Ⅲ)、C001-3に掲げる歯科在宅療養管理料、C001-5に掲げる在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導
管理料又はC001-6に掲げる小児在宅患者訪問口腔リハビリテーション指導管理料を算定している患者に対して行った歯科特定疾患療養管理料は、
別に算定できないからである。
本邦における悪性黒色腫の罹病率はWHOが2001年に公表したデータによると1.12人/10万・年であり、そのうち口腔悪性黒色腫の全悪性黒色腫に対
する頻度が文献的に23.2%と報告されていることを参考に推定すると、およそ300人/年程度と考えられる。しかし、これら症例には耳鼻咽喉科を
はじめ医科を受診する患者も含まれている為100~200人/年程度が歯科への受診患者と推定される。口腔内母斑などのメラニン色素沈着症は全国
的な発症数のデータは存在しないが、仮に歯科を受診する口腔悪性黒色腫症例の10倍だったと仮定すると1000~2000人程度と考えられる。
年間対象者数の
変化
見直し後の症例数(人)
年間実施回数の
変化等
見直し前の回数(回)
見直し後の回数(回)
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
3か月毎に経過観察を行うとすると、症例数の4倍の回数を診察すると考える。しかし、その内の多くの患者に於いて、B000-4に掲げる歯科疾患管
理料を算定している場合が多く、実際の年間実施回数は2000回程度と推定される。
既に口腔白板症や扁平苔癬、その他の口腔粘膜疾患の診察は行われており、それらに対する口腔内診察技術と同様であり、粘膜疾患、軟組織疾患
に習熟した歯科医師においては必ずしも困難ではなく成熟した技術である。
施設の要件
歯科口腔外科を標榜し、全身麻酔下での口腔悪性黒色腫の切除手術が可能で、かつ手術不能症例に対する化学療法や放射線療法などの集学的治療
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 が院内で完結する施設であることを条件とする。
制等)
人的配置の要件
日本口腔外科学会の専門医又は指導医1名以上が常勤歯科医師として施設に勤務していること、院内で悪性黒色腫の病理診断が可能で、かつ、病
(医師、看護師等の職種や人数、専門 理診断に専ら従事する、常勤の病理医または口腔病理医が1名以上勤務している施設での算定に限定する。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 国が定める地域のがん拠点病院であることも施設基準の要件とする。
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
口腔内の診察が従来以上に慎重かつ丁寧に十分な時間をかけて診療および指導が行われることとなる。特別な機器や侵襲を伴う外科手技を伴わな
いため、極めて安全性が高いと考えられる。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
倫理性に問題はない。悪性黒色腫の存在を見逃してしまったことによる患者の生命予後への影響は計り知れなく大きいことを考えると、歯科医師
による口腔粘膜診察によって悪性黒色腫を早期発見することの社会的な要望、期待度は高いと考えられる。
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
区分をリストから選択
番号
技術名
具体的な内容
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
3400000円
その根拠
170点×500×4(3か月に1度のfollow)のため
備考
施設基準の厳格化や他の指導料や管理料との重複算定が不可能なことを考慮すると、実際の受診患者数の2割~3割程度しか算定には至らないと予
想される。
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬
なし
⑫その他
なし
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
⑭参考文献1
⑭参考文献2
1)名称
口腔原発悪性黒色腫
2)著者
中久木和也、加藤雅典、他
3)雑誌名、年、月、号、ページ
耳鼻科臨床、1977年70巻、第10号、959~969ページ
4)概要
著者らが経験した予後不良だった口腔悪性黒色腫の症例を示しながら、本邦ならびに外国例について考察されている。
1)名称
皮膚悪性腫瘍ガイドライン第3版
2)著者
公益社団法人日本皮膚科学会、他
3)雑誌名、年、月、号、ページ
日本皮膚科学会雑誌、2019年、129巻、第9号、1759~1843ページ
4)概要
口腔粘膜を含むメラノーマの診療に関するガイドラインであり、診断から治療、予後までが記載されている。
メラノーマ診療ガイドライン2019
2992