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提案書15(2801頁~2999頁) (41 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

382101
ICGによる近赤外線リンパ管・リンパ節造影
日本リンパ浮腫治療学会
33形成外科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

15心臓血管外科
関連する診療科(2つまで)
25産婦人科・産科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する

令和4年度

ICGによる近赤外線リンパ管・リンパ節造影

追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

皮下に注射されたインドシアニングリーン(ICG)はリンパ管内に取り込まれ、リンパ流を近赤外線カメラで蛍光イメージとし
て観察できる。リンパ浮腫症ではリンパ管が傷害されることによるリンパ還流が滞る様を蛍光画像として観察できる。また本
法により皮下を走行するリンパ管を同定可能なため、リンパ浮腫に対する外科手術であるリンパ管―静脈吻合時には、手術中
のリンパ管の同定に必須の方法として既に日常的に行われている。

文字数: 200
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

リンパ浮腫
インドシアニングリーン(ICG)蛍光リンパ管造影法は、ベッドサイドでリアルタイムかつ簡便に検査観察できること、アイソ
トープ使用によるリンパ管シンチグラム法と異なり放射線被曝の心配がなく大規模の施設を必要としないこと、安価であるこ
と、等々多くの利点を有している。また既に保険収載されているリンパ浮腫に対する外科手術であるリンパ管―静脈吻合を行
う際には、下肢の浮腫を主訴で来院した患者がリンパ浮腫であり、かつ手術適応の有無を判断するための診断法として、ある
いは術中のリンパ管同定や、吻合成功の有無判定のために必須の試検査として日常的に使用されており、1日も早い本法の保
健収載が待たれている。

文字数: 293
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

リンパ浮腫

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

2.5-5.0mg/ml(0.25-0.50%)ICG溶液を、1箇所あたり0.10-0.20mlを皮下または皮内注射する。(最大量で0.3mg/kg以下)を皮下
または皮内注射し、近赤外線カメラにて観察し、得られる画像をリアルタイムでモニター上で蛍光画像として観察する。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号
医療技術名

100
シンチグラム(画像を伴うもの)

既存の治療法・検査法等の内容

リンパ管にとりこまれる造影剤(ラジオアイソトープ)を皮下に注射してリンパ管の流れを撮影する放射線検査である。手足の
どの部位でリンパ液が鬱滞しているか、リンパ管の輸送能がどれくらい保たれているかをガンマカメラを用いて評価すること
ができる。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

インドシアニングリーン蛍光リンパ管造影法では、経皮的にリンパ管の蛍光を近赤外線カメラで観察するため、皮膚を透過可
能な深さ2cmほどまでの評価しかできず、この点でリンパ管シンチグラムとは劣っている。一方、リンパ管シンチグラムでは
アイソトープを用いるため、被曝のリスクや遮蔽設備、高額なガンマカメラなどの大規模設備が必要となる。
医師主導治験(jRCT2031190064)の結果、リンパ浮腫の診断能においては、リンパ管シンチグラムと比較し、上肢リンパ浮腫で
は同等の100%の正診率、下肢リンパ浮腫では正診率はリンパ管シンチグラム75%に対しインドシアニングリーン蛍光リンパ
管造影法では93%とシンチグラムを上回る成績が得られた。
2a

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)

日本癌治療学会 がん診療ガイドライン
総論(2)リンパ浮腫の診断に以下のとおり記載。
インドシアニングリーン色素(ICG)を用いた蛍光リンパ管造影は
photodynamic eye(PDE)によって、体表から2cm程度の深さまでなら
リンパ管の走行や機能動態を観察することができ、リンパ管の弁逆
流に伴うdermal backflowはリンパ浮腫に特有の所見である。

約10,000人
約20,000回

※患者数及び実施回数の推定根拠等

2009年の厚労省難病研究班の報告によると原発性リンパ浮腫患者数は約5,000人、2018年リンパ学(第41巻 p81-85)によるとリ
ンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合術は日本形成外科学会認定126施設で4,245例施行されていた。ここから患者数を約10,000
人、実施回数は患者一人あたり2回と計算してを約20,000回と推計した。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

学会等における位置づけ:日本形成外科学会の調査によると、認定施設においては、既に保険収載されているリンパ浮腫に対
するリンパ管-静脈吻合術においては、術中にほぼ9割以上の施設でインドシアニングリーン蛍光リンパ管造影が行われてお
り、その代替方法は存在しないこと。また手術適応を決める際の外来においても同様に実施されている。難易度:インドシア
ニングリーン蛍光リンパ管造影検査自体は、インドシアニングリーンを皮下注射した後、近赤外線カメラでリアルタイム観察
するだけなので、患者への侵襲はほとんどなく、手技も容易なため、すぐ習得が可能である。

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