提案書15(2801頁~2999頁) (56 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
402102
習慣性顎関節脱臼に対する自己血注入療法
一般社団法人日本顎関節学会
37歯科・歯科口腔外科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
習慣性顎脱臼に対する自己血注入療法
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
有
平成30年度
追加のエビデンスの有無
有
提案される医療技術の概要
(200字以内)
習慣性顎関節脱臼患者において、上関節腔のパンピングを行い、同時に採血した静脈血を上関節腔に注入、さらに刺入針を
引き関節包周囲に注入。術後、1週間ほど弾性包帯、チンキャップ等により、開口抑制を行い、その後1ヵ月ほど開口制限の
指導を行うことで関節の拘縮効果を期待し、脱臼の改善を行う。術後の再脱臼に対して再度本療法を試みる。
文字数: 160
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
習慣性顎関節脱臼
習慣性顎関節脱臼に対する治療法は、顎外固定などの非観血的療法や関節隆起切除術、顎関節前方障害形成術などの観血的
療法が行われてきた。しかし高齢者や基礎疾患を有する患者には観血的療法は適応しにくく、非観血的療法は対症療法であ
り再脱臼を認める症例も少なくない。自己血注入療法は自己血を顎関節腔内注入し関節周囲の瘢痕化と線維化により下顎前
方滑走を抑制し脱臼を防ぐ治療法であり、手技も簡便で患者への侵襲も少なく成功率も高い。高齢者の顎関節脱臼患者では
女性の60歳代から80歳代にかけて症例の増加が認められ、習慣性脱臼が45%を占めることから同処置が有用と考え保険収載
を希望する。
文字数: 286
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
習慣性顎関節脱臼は、過開口などによって、関節包や靱帯の伸展や外側翼突筋円板付着部の損傷などが生じ、関節包が緩ん
で脱臼が習慣的となった病態をいう。高齢者の顎関節脱臼患者では,女性の60歳代から80歳代にかけて症例の増加が認めら
れ、習慣性脱臼が45%を占める。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
1%キシロカイン(エピネフリン含有)で刺入部に浸潤麻酔を行った後、21または22ゲージ注射針にて1%キシロカイン(エピ
ネフリン非含有)で上関節腔のパンピングを行い、刺入針を留置する。同時に肘正中皮静脈より採血した5ml末梢血を上関
節腔に2~3ml注入し、さらに刺入針を1cm引いて関節包周囲に1~2ml注入する。術後は1週間ほど弾性包帯、チンキャップな
どにより開口抑制を行い、その後1か月程度開口制限の指導をする.術後の再脱臼に対しては再度本療法を試みることができ
る。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
番号
医療技術名
J077 J078
顎関節脱臼非観血的整復術
既存の治療法・検査法等の内容
下顎顎間固定,chin-capや弾性包帯などによる顎外固定などの非観血的療法や口腔粘膜・側頭腱膜短縮術(Herrman変
法)、関節隆起切除術、顎関節前方障害形成術などの観血的療法が行われている。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
研究結果
顎関節脱臼観血的手術
1.全身麻酔下での観血的処置(K445: 40,870点)と比較して1)局所麻酔下で外来患者でも施行できるため入院の必要がな
い、2)安全でコスト効果が高い、3)最小限の侵襲である、4)術後合併症が起こる可能性が低い、5)異物反応が起きない。2.
他の非観血的処置と比較して、再脱臼防止のための成功率が高い、というエビデンスが得られている。
48名(男性11名,女性37名)の慢性習慣性顎関節脱臼患者に対してランダム化比較を行った.患者を3群に分け(1.自己血を
上関節腔と関節包周囲に注入群,2.4週間の顎間固定群,3.自己血注入および4週間の顎間固定の併用群)その後の経過を比較
したところ再発は自己血のみの群が最も多かった(3回行った後は再発しなかった)が、併用群では再発例は無かった。自
己血注入治療は非常簡便な治療法で、数回行えば脱臼の再発は無かった。しかしながら、脱臼予防に最も良い治療法は自己
血注入と顎間固定の併用である。
1b
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の
日本顎関節学会にて治療指針作成予定
改訂の見込み等を記載する。)
4,566
2,283
令和3年 社会医療診療行為別統計において後期高齢者の顎関節脱臼非観血的整復術の年間件数は761×12=9,132件、その
内、習慣性脱臼は半数の4,566件と考えられる。また顎関節脱臼非観血的整復術の実施回数は1420×12=17,040であり、再発
は多いが観血処置が難しいことを考えると、その半数である2,283件に処置を行えれば、顎関節脱臼非観血的整復術の実施
回数は1/3程度(5,680)に軽減できるのではないかと考える。
2856