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最終評価報告書 第3章(Ⅱ5~Ⅳ) (236 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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社会環境の整備の領域の⽬標となっている健康格差対策に取り組む⾃治体数はベースラインから
増加傾向にあり、格差対策の必要性は広く認識されるようになってきたと考えられる。具体的な施策と
して、「⼦どもの貧困対策の推進に関する法律」(平成 25(2013)年)や「⽣活困窮者⾃⽴⽀
援法」(平成 25(2013)年)等が成⽴し、最低賃⾦の引き上げが⾏われる等の施策も実施され
てきたが、今後、どういう施策がどの程度健康格差の縮⼩に寄与するのか等の検討とともに、対策を進
めていく必要がある。
⽬標の設定に関しては、健康⽇本 21(第⼆次)の策定時には⽬標設定の考え⽅を整理し⽬
標設定が⾏われたが、各指標間の因果関係が⾒えにくい項⽬も多く、最終評価においては、プロセス
指標が改善していないにもかかわらず、アウトカム指標に改善が⾒られた項⽬や、他の指標との関係
性を⼗分に評価できなかった項⽬も⾒られた。健康寿命の延伸や健康格差の縮⼩に向け、指標間、
領域間のつながりを考えてエビデンスに基づいた指標の設定をしていくことは引き続きの課題であり、合
わせて、⽬標の達成に向けてどのような対策を⾏うのが効果的か、エビデンスに基づいた施策(アクショ
ンプラン)についても検討していく必要があると考えられる。
数値⽬標に関しても、具体的に⽬標値を設定している項⽬や増加・減少傾向のみを⽬標としてい
る項⽬、また、理想として0%や 100%を⽬標に掲げたため現実として⽬標値に達するのが難しかった
項⽬等、⽬標によって在り⽅や⽬標達成の難しさの程度が様々であり、今後、数値⽬標の設定の考
え⽅についても議論が必要である。
さらに、最終評価においては、53 の⽬標項⽬中7項⽬が E 評価(評価困難)であったが、そのう
ち6項⽬は新型コロナウイルス感染症の影響で、国⺠健康・栄養調査等データソースとなる調査が中
⽌となったために評価のためのデータが⼊⼿できなかった。中間評価の時点で1項⽬、最終評価の時
点で1項⽬、モニタリングが継続できず評価困難となった項⽬もあった。今後、指標のデータソースやモ
ニタリングの⽅法についても改めて検討する必要がある。
最終評価の⼀環として⾏った都道府県・市区町村・団体に対する取組状況調査においては、部局
横断的な組織体制や健康増進計画の評価を⾏う体制等、健康⽇本 21 の最終評価時と⽐較して
健康づくりのための体制整備が進んでいることが明らかになった。また、健康づくり部⾨以外の部⾨との
連携に関しても多くの⾃治体で⾏われてきている。健康格差に関しても、多くの⾃治体で把握されるよ
うになってきている⼀⽅、所得や教育、職業等の社会経済的要因による健康格差を把握している⾃
治体は、都道府県・市区町村ともに1割強にとどまっている。健康格差に関しては、今後何をどのよう
に把握し、効果的な対策をどう⾏っていくか検討していく必要がある。
領域ごとの取組状況を⾒ると、循環器疾患や糖尿病等の⽣活習慣病の各領域や、栄養・⾷⽣
活、⾝体活動・運動、喫煙領域等において取組が進んでいる⼀⽅、休養、飲酒等の領域では、計
画期間中に取組が充実したと回答した⾃治体・団体や、今後取り組みたいと答える⾃治体・団体が
少なく、効果的な取組の設定や実⾏に関する課題を抱えている可能性も考えられた。県⺠健康栄養
調査等を通じて地域の課題を分析し、実情に応じた取り組みを効果的に⾏っている⾃治体もあり、⾃
治体や企業・団体の好事例を、スマート・ライフ・プロジェクト等を通じてより広く周知していく必要がある。
国や都道府県が健康格差の分析を引き続き⾏い、その結果を周知することで、各⾃治体がより重
点的に取り組むべき課題等を⾒える化していくことも必要であると考えられる。

第3章 Ⅳ

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