最終評価報告書 第3章(Ⅱ5~Ⅳ) (69 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html |
出典情報 | 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》 |
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【⽬標設定の背景】
睡眠の不⾜は、⽇中の眠気や疲労をもたらすに留まらず、頭痛等の⾝体愁訴の増加、情動不安
1)
定
3)
故
、注意⼒や判断⼒の低下
2)
に関連する作業能率の低下等、多岐にわたる影響を及ぼし、事
等、重⼤な結果を招く場合もある。
睡眠不⾜を含め様々な睡眠の問題が慢性化すると、肥満
7)
や脳⾎管障害
8)
4)
、⾼⾎圧
5)
の発症リスク上昇と症状悪化に関連し、死亡率の上昇
、糖尿病
9)
6)
、⼼疾患
にも関与することが明
らかとなっている。また、睡眠の問題はうつ病をはじめとした多くの精神障害において、発症初期から出
現し、再燃・再発リスクを⾼めることが知られているが、不眠の存在⾃体が精神障害の発症リスクをも
⾼める 10)という報告も近年多くみられるようになっている。
これらを踏まえ、睡眠の問題に対処し、⼗分な睡眠をとることは⼼⾝の健康の保持・増進において
は極めて重要であり、睡眠に関連した⽬標設定が必要とされた。
睡眠に関する⽬標として、睡眠時間等の客観的な⽬標ではなく、「睡眠による休養を⼗分とれてい
ない者の割合の減少」という、「睡眠の質」により関連する主観的・相対的な評価を含む指標が設定
されたのは、国⺠健康・栄養調査で評価することが可能であること、過去の疫学データの集積があるこ
と、睡眠習慣に関する個⼈差についても対応可能であること等、現実的な事情が考慮されたものであ
る。ところが、近年、睡眠時間や中途覚醒の回数といった睡眠の指標よりも、いわゆる「熟睡感」、「睡
眠の質」、「睡眠休養感」といった「睡眠により休養を⼗分とれていると感じているか」により関連すると
考えられる主観的評価について⾼⾎圧や糖尿病、⼼疾患や、うつ病等の精神的健康と強く関連する
といった、⽬標としての妥当性を⽀持する報告が多く認められるようになっている 11)12)。
⽬標設定当時、国⺠健康・栄養調査においては、睡眠による休養を⼗分にとれていないという有
訴者率は 20%前後で推移していた。これも踏まえ、有訴者率の減少を⽬標に国⺠の睡眠習慣に対
して積極的に施策を講じることとした。
【今回の評価】
「睡眠による休養を⼗分とれていない者の割合」(20 歳以上)は最終評価時の平成 30
(2018)年で 21.7%であり、全体として⽬標値の 15.0%に達しておらず、むしろベースライン値の
18.4%から有意に増加しており、最終評価においては、「D 悪化している」と評価された(図表Ⅱ5-(3)-1)。年代別に分析すると、ほぼ全ての世代で増加傾向にあり、特に中⾼年者(50 歳代)
において増加の度合いが⼤きかった(図表Ⅱ-5-(3)-2、図表Ⅱ-5-(3)-3)。この結果につい
て性差は認められなかった。
平成 30(2018)年の「国⺠健康・栄養調査」によると、1⽇の平均睡眠時間が6時間未満の
者の割合は、男性で 36.1%、⼥性で 39.6%であり、30 歳代から 50 歳代の男性、及び 40 歳代
から 60 歳代の⼥性で4割を超えていた(図表Ⅱ-5-(3)-4)。
5.(3)休養
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第3章 Ⅱ