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最終評価報告書 第3章(Ⅱ5~Ⅳ) (85 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28410.html
出典情報 健康日本21(第二次)最終評価報告書を公表します(10/11)《厚生労働省》
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(4)飲酒

背景
○ アルコールは、様々な健康障害との関連が指摘されており、アルコール性肝障害、膵炎等の臓器
障害、⾼⾎圧、⼼⾎管障害、がん等の他、⾃殺や事故とも深く関連する。平成 30(2018)年
に世界保健機関(WHO︓World Health Organization)が発表した「Global status
report on alcohol and health 2018」によると、平成 28(2016)年の試算で、年間 300
万⼈がアルコールの有害な使⽤のために死亡し、全死亡に占める割合は 5.3%とされたが、この割
合は、結核(2.3%)、エイズ(1.8%)、糖尿病(2.8%)、⾼⾎圧(1.6%)、消化器疾
患(4.5%)、交通事故(2.5%)、暴⼒(0.8%)による死亡を上回っている 1)。
○ 障害調整⽣命年(DALY︓Disability-Adjusted Life-Years)では、アルコールによる早
世や障害は、⼥性のDALY全体の 1.6%、男性では 6.0%を占め、全要因の中の7番⽬の
⾼い割合となっている。特に、年齢を 15 歳から 49 歳に限ると、全要因の中で最も⾼い割合となり、
男性の 8.9%、⼥性の 2.3%の原因となっている。また、同じ年代の男性の全死亡の 12.2%、⼥
性の 3.8%がアルコールに起因するという報告もある 2)。このように、世界的にもアルコールによる健
康への影響は重要な問題として認識されている。
○ 患者調査(厚⽣労働省)によれば、アルコール性肝硬変の患者数は、平成8(1996)年の
4千⼈から、平成 29(2017)年には 1.4 万⼈へ増加している。⼈⼝動態統計(厚⽣労働省)
によれば、アルコール性肝疾患の死亡数は、平成8(1996)年の 2,403 ⼈から、令和元
(2019)年には 5,480 ⼈へ増加しており、そのうち約8割がアルコール性肝硬変である。
○ 令和3(2021)年3⽉ 26 ⽇に閣議決定された第2期アルコール健康障害対策基本対策
推進基本計画には、「飲酒に伴うリスクに関する知識の普及と不適切な飲酒を防⽌する社会づくり
を通じて、将来にわたるアルコール健康障害の発⽣を予防する」、「アルコール健康障害の当事者や
その家族がより円滑に適切な⽀援に結びつくように、アルコール健康障害に関する相談から治療、
回復⽀援に⾄る切れ⽬のない⽀援体制を構築する」という2つの重点課題が⽰されており、1つ
⽬の課題における重点⽬標は、健康⽇本 21(第⼆次)の飲酒領域に設定された3つの⽬標項
⽬と同⼀である。
○ 国内外の研究結果から、がん、⾼⾎圧、脳出⾎、脂質異常症等の飲酒に関連する多くの健康
問題のリスクは、1⽇平均飲酒量とともにほぼ直線的に上昇することが⽰されており

3)- 6)

、これら

の知⾒からは⽣活習慣病のリスクを⾼める飲酒量の閾値は低ければ低いほど良いことが⽰唆される。
⼀⽅、脳梗塞及び虚⾎性⼼疾患については、飲酒量との関係がほぼ直線的に上昇するとはいえ
ない。しかし、その場合でも男性では 44g/⽇程度以上の飲酒(純アルコール量)で⾮飲酒者や
機会飲酒者に⽐べてリスクが⾼くなることを⽰す研究が多い 7)- 10)。また、⼥性では 22g/⽇程度
以上の飲酒でリスクが⾼くなることを⽰す研究がある 8)11)。

5.(4)飲酒

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第3章 Ⅱ