【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (110 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
経験的(エンピリック)治療
(iii)
要旨
抗菌薬開始前には、バイタルサインの評価を中心に、直ちにエンピリック治療が必要かどう
かについて検討する。
エンピリック治療が必要な感染症と判断した場合、抗菌薬開始前に原因臓器と原因微生物に
ついて検討し、想定された原因微生物に対して効果のある抗菌薬を選択する。
抗菌薬開始後には、臨床経過や培養結果を元に患者の状態を再評価し、抗菌薬調整する
抗菌薬は通常、経験的に投与される。つまり、どの細菌が患者に感染しているのか、あるいは
患者が実際に細菌感染しているのかさえも正確に把握できないまま投与が開始されことが多い 11。
日常診療において、通常は診断が確定してから治療が開始されることが多いが、感染症診療では
培養検査の結果を得るのに日数を要するため、診断が確定する前に経験的治療を開始することが
多い。よって治療開始前に原因臓器や原因微生物をある程度想定しておくことが重要である。
① 感染症に対して経験的治療が必要な状況であるかどうかを評価する
「細菌感染症=直ちに経験的治療が必要」というわけではなく、結果が待てる状況であれば結
果を待つ選択も可能である。一方で、免疫不全者における細菌感染症や、敗血症の場合は速やか
な抗菌薬投与が必要だが、どのように敗血症を早期に察知するかリスクの評価が重要である。実
臨床においては、覚えやすい quick Sequential Organ Failure Assessment(qSOFA)や集中治療
領域では SOFA スコア等が使用されることもあるが、単一の指標だけでは判断せず、複合的に判
断することが重要である。表にバイタルサインやその他の指標の評価のポイントについてまとめ
た。特に発熱前さらに治療後と比較をすることで、重症度評価や経過の予測に役立つ。
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