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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (73 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

表 4. GAS 迅速抗原検査の適応
以下の 1)、2)、3) を満たすもの
1)

急性咽頭炎の症状と症候があり、急性 GAS 咽頭炎が疑われる

2)

急性 GAS 咽頭炎の身体所見を有する

3)

原則、3 歳以上(周囲で流行していている場合はその限りではない)

GAS 迅速抗原検査の検査特性は、感度は 70~90%、特異度 95%である 37。感度は研究ごとに
幅あり、特異度はほぼ一定である。特異度は優れているため、検査陽性であれば、追加の培養検
査は不要と言える。その一方で、検査陰性の場合は、二度繰り返しても陽性率は向上しないので、
検査を繰り返す意味は少ない 38。
培養検査は、GAS 咽頭炎の診断において標準的な検査法である 37。しかしながら、流行期にお
いては GAS の保菌者は 20%ほど見られ、その状況が 6 か月以上持続するため、GAS 保菌者のウ
イルス性咽頭炎では、鑑別が困難になる。このようなことから、培養検査の実施については、実
際に臨床的に GAS の可能性が高いが迅速抗原検査陰性の場合の追加に留めるべきである。
重要な鑑別疾患(レッドフラッグ)


急性喉頭蓋炎、頸部膿瘍、扁桃周囲膿瘍等の急性上気道閉塞性疾患
急激に全身状態が悪化し、喘鳴、姿勢の異常(sniffing position や tripod position)や流涎
が目立つ。これらの疾患においては、短時間で窒息にいたる可能性があり、口腔内の診察は
もとより採血やレントゲン検査等の、患児にストレスを与えることは避けて、児の楽な姿勢
のままで、安全に気道確保できる施設への転院を速やかに決断することが重要である。

図 5. 急性溶連菌性咽頭炎の自然経過

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