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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (45 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

細菌

ウイルス

大きさ

1mm の千分の 1 程度

1mm の 1 千万分の 1 程度

細胞壁

あり

なし

タンパク合成

あり

なし

エネルギー産生・代謝

あり

なし

増殖する能力

他の細胞がなくても増殖できる

人や動物の細胞の中でしか
増殖できない

抗生物質(抗菌薬)


効く

効かない

日常会話では「細菌」の代わりに「バイ菌」と言うこともありますが、一般的に「バイ菌」はすべての微生物

(細菌、ウイルス、カビ、原虫等を含む)を指して使われています。

質問 3

薬剤耐性(AMR)とはどのようなことでしょうか?私に関係あるのでしょうか?

回答 3

細菌は増殖の速度が速いので、人や動物よりも桁違いに速く進化(遺伝子が変化)し
ます。細菌の周りに抗生物質(抗菌薬)があると、たまたま進化の中でその抗生物質
(抗菌薬)に抵抗性を身につけた細菌が多く生き残ることになります。このように細
菌が抗生物質(抗菌薬)に抵抗性を身につけ、抗生物質(抗菌薬)が効かなくなるこ
とを薬剤耐性(Antimicrobial resistance: AMR)と言い、薬剤耐性(AMR)を身につ
けた細菌を(薬剤)耐性菌と言います。「MRSA」や「多剤耐性緑膿菌」は耐性菌の
一種です。また、薬剤耐性(AMR)は、例えばウイルスでも薬剤耐性は起こります。
耐性菌が身体の表面や腸の中に住み着いている人に抗生物質(抗菌薬)を使うと、耐
性菌以外の細菌は抗生物質(抗菌薬)で死んでしまうので、耐性菌だけが生き残り、
身体の表面や腸の中等で増えることになります。普段、健康な私たちでも、耐性菌に
よって感染症を起こしてしまうと、本来効いてくれるはずの抗生物質(抗菌薬)が効
きにくく、治療が難しくなること(症状が長く続く、通院で済むはずが入院しなけれ
ばならなくなる等)があります。都合の悪いことに、このような耐性菌が日本を含む
世界各地で増えています。抗生物質(抗菌薬)を大切に使わなければ、将来、抗生物
質(抗菌薬)が効かなくなり、多くの方が感染症で命を落とすことになると考えられ
ています。
薬剤耐性(AMR)は、私たち一人ひとりが、抗生物質(抗菌薬)を使ったことで起こ
る問題です。私たちは、より丁寧に診察を行い、より大切に抗生物質(抗菌薬)を使
いたいと考えています。皆さんには、抗生物質(抗菌薬)が必要であれば必要と、不
必要であれば不必要と、しっかりと説明しますので、ご理解ください。

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