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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

6.

第三版

参考資料

(1) 抗微生物薬適正使用を皆さんに理解していただくために
質問 1

ウイルスと細菌は違うのですか?

回答 1

細菌とはひとつの細胞からなる生き物で、大腸菌やブドウ球菌等が含まれます。大き
さが数マイクロメートル(千分の 1mm)の微生物です。細菌は細胞壁という殻のよ
うなものに囲まれており、その中に細菌が生きるのに必要な様々なタンパク等の物質
を合成したり代謝を行ったりする装置(細胞内器官と呼びます)と遺伝子を持ってい
て、それらの装置や遺伝子を使って自力で分裂して増えていくことができます。一
方、ウイルスは細胞ではなく、遺伝子とタンパク質等物質の集まり(大きさは数十ナ
ノメートル、細菌の 1 万分の 1 程度)だけの微生物です。例えばインフルエンザウイ
ルスやノロウイルス等です。自力では物質の合成や代謝ができず(そのような装置を
持っていないため)、ヒトや動物の細胞の中に入り込んで、その細胞の中の装置を借
りて遺伝子やタンパク質を合成してもらわないと増えることができません。違いをま
とめると回答 2 にある表のようになります。

質問 2

抗微生物薬、抗菌薬、抗生物質、抗生剤の違いは何でしょうか?

回答 2

細菌、ウイルス、カビ(真菌と呼びます)、原虫、寄生虫等様々な分類の小さな生物
をまとめて微生物といいます。微生物を退治する薬をすべてまとめて抗微生物薬と呼
びます。つまり、抗微生物薬には細菌に効く薬、ウイルスに効く薬、カビに効く薬等
多くの種類の薬が含まれていることになります。とりわけ細菌に効く薬は細菌による
病気(感染症)の治療に使われ、そのような薬を抗菌薬と呼んだり抗生物質、抗生剤
と呼んだりします。抗菌薬と抗生物質は厳密に学問的にいうと少し意味が違うのです
が、一般的には同じ意味だと考えて差し支えありません。
抗生物質(抗菌薬)が効くかどうかを含めて、細菌とウイルスの違いをまとめると下
の表のようになります。注意していただきたい点は、抗生物質(抗菌薬)はウイルス
には効果がない、という点です。それは、抗生物質(抗菌薬)が細菌の持つ細胞壁を
破壊したり、細菌の自力で増殖する能力を障害する薬だからなのです。ウイルスには
細胞壁や自力で増殖する能力がないため、抗生物質(抗菌薬)はウイルスに作用する
ことがないのです。

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