【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (62 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
れるが、臨床的には年齢、症状と身体所見をあわせ、感冒・鼻副鼻腔炎、咽頭炎、クループ症候
群、気管支炎、細気管支炎と診断される(図 1)
。COVID-19 は、咳嗽および発熱がよく見られる
症状であるが、無症状の場合もある。COVID-19 流行地域では COVID-19 を考慮する。教科書や
文献上は様々な表記や分類が存在するが、本手引きでは抗菌薬適正使用の観点から、抗菌薬が不
要であるウイルス感染症を臨床的に定義した。小児では、これらのウイルス性疾患と細菌感染症
やその他の病態との鑑別が診療の上で重要となる。
図 1. 小児気道感染症の分類
(2) 小児における年齢と感染症の関係
小児では、年齢ごとに考慮すべき病態や合併症の頻度が異なり、年齢を加味した診療が必要で
ある。
生後 3 か月未満の乳児
本手引きでは、生後 3 か月未満の乳児は対象としない。原則として、小児診療に
慣れた医師による診察が必要である。
生後 3 か月以降の乳幼児
生後 3 か月以降の乳幼児において、鼻汁、軽い咳等の上気道症状をきたす疾患に
ついては感冒・鼻副鼻腔炎と広く定義する。成人においては、感冒は急性気道感
染症のうち鼻症状・咽頭症状・下気道症状が同時に同程度存在する状態としてい
るが、乳幼児においては症状の明確な区別が困難である。小児に特有な疾患とし
て犬吠様咳嗽を特徴とするクループ症候群また、喉頭炎、下気道症状をきたす疾
患として喘鳴を主徴とする細気管支炎がある。これらの疾患は、原則としてウイ
ルス性疾患であり、抗菌薬投与は不要であるが 3,4、鑑別となる重症細菌感染症を
除外する必要があり、ウイルス性疾患の有無に関わらず中耳炎、潜在性菌血症や
尿路感染症について考慮する必要がある。同時に、抗菌薬の適応病態として、幼
児であっても A 群 β 溶連菌感染症、百日咳やマイコプラズマ肺炎に注意が必要で
ある。
学童期以降の小児
学童期以降の小児においては、症状や身体所見から成人と同様の疾患定義に基づ
いて感冒、急性鼻副鼻腔炎、急性咽頭炎、急性気管支炎を診断することが可能で
ある(手引き成人学童期編参照)
。同時に、抗菌薬の適応病態として、A 群 β 溶連
菌感染症、百日咳やマイコプラズマ肺炎に注意が必要である。
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