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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (95 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

球菌の場合は非侵襲性感染症であれば、多くの場合は高用量のアモキシシリンで対応できるため、
アモキシシリンを第一選択とすることが可能である 122。
一方で BLNAR による中耳炎の場合は、耐性度が高い株が少なくなく、治療に難渋する場合は
これを考慮し、ガイドライン等を参考に治療選択を行う 105。β-ラクタマーゼを産生する M.
catarrhalis や BLPAR(β-lactamase-positive ampicillin-resistant)H. influenzae では、アモキシシ
リンは選択しにくく、β-ラクタマーゼ阻害剤との合剤であるクラブラン酸/アモキシシリンが選
択される。しかし、M. catarrhalis 単独での病原性はほぼなく、BLPAR H. influenzae も本邦では
出現頻度は低い 123。よって、アモキシシリンによる十分量治療に反応が悪いケースにのみ、ク
ラブラン酸/アモキシシリンや他剤の使用が考慮される。なお、国内の小児を対象としたランダ
ム化比較試験では、中耳炎に対してアモキシシリン単独よりクラリスロマイシン併用の方が治療
失敗は少なかったと報告している 124。

(iv)

投与量と投与間隔

アモキシシリン:60~90 mg/kg/日 分 3 経口投与

(v)

(90mg[力価]/kg/日を越えない)

治療期間

米国小児科学会ガイドラインでは、年齢別に 2 歳未満では 10 日間、2-5 歳は 7-10 日間、6 歳
以上は 5-7 日間とされている 112。本邦ガイドラインでは 5 日間で治療開始後、3、4 日目に病態
の推移を観察することが推奨されている 123。2 歳未満に限定した非劣性 RCT では、5 日間投与
は 10 日間投与に比べて失敗率が高いと報告されている 125。
本手引きでは、2 歳未満は 10 日間を推奨し、それ以降の年齢では、5 日間を基本的な推奨とす
る。一方、全身状態が不変、悪化傾向の場合には 2-3 日間で、再評価し、推奨の治療期間前に治
癒した場合、個々の症例に合わせて治療期間の短縮や延長を決定することを推奨する。

(vi)

代替薬

β-ラクタム系抗菌薬にアレルギーがある場合等でペニシリン系抗菌薬が使用できない場合は学
会のガイドラインを参考に選択薬を考慮する 105。国内の原因菌感受性結果からはマクロライド
系抗菌薬は推奨されない。

(vii)

治療後の経過

治療開始 24 時間以内は所見が悪化する可能性があるが,多くは 24 時間以内に改善し始め、72
時間以内には改善する 121。

(viii) 点耳薬(抗菌薬)
点耳薬(抗菌薬)が中耳腔内に入れば、理論的には高濃度の抗菌薬が中耳に届くことが期待さ
れる。鼓膜穿孔がない場合は無効であり、推奨されない。また鼓膜切開後の点耳薬は十分に検討

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