【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (65 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
(4) 小児において気をつけるべき薬剤について
急性気道感染症に関連する薬剤のうち、小児特有の副作用が懸念される薬剤がある。また多く
の対症療法薬にはエビデンスが存在せず、副作用も報告されている。使用にあたっては添付文書
の記載等に注意が必要である。
表 1. 小児特有の副作用が懸念される薬剤
薬剤
ST 合剤
懸念事項
低出生体重児、新生児(生後 28 日未満)は核黄疸のリスクがあり禁忌である 7。
(一般的に生後 2 か月以内は投与を避ける)
セフトリアキソン
高ビリルビン血症のある早産児・新生児は核黄疸のリスクがあり禁忌、カルシウムを
含有する輸液製剤との併用で結晶化するため注意が必要である 8。
マクロライド系抗菌薬
新生児期における内服で肥厚性幽門狭窄症のリスクが上がる 9。
(特にエリスロマイシ
ンだが、アジスロマイシンでも報告あり)
テトラサイクリン系
8 歳未満の小児では歯牙着色のリスクがあるため 8 歳未満では他に代替薬がない場合
抗菌薬
を除き使用しない 10(テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン)
。
ピボキシル基を有する
低カルニチン血症に伴って低血糖症、痙攣、脳症等を起こし、後遺症に至る症例も報
抗菌薬
告されている。
<セフカペン、セフジトレン、セフテラム、テビペネム>
フルオロキノロン系
幼若動物への投与により関節障害が報告され、小児には投与禁忌となっている薬剤が
抗菌薬
ある。
(シプロフロキサシン、レボフロキサシン、ガレノキサシン等)
アセチルサリチル酸、
小児のインフルエンザや水痘罹患時に急性脳症発症に関連する。
メフェナム酸、ジクロ
厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアル「小児の急性脳症」
(平成 23 年 3 月)
フェナクナトリウム等
を参照。
の解熱鎮痛剤、
あるいは総合感冒薬
抗ヒスタミン薬
熱性けいれんを誘発するリスク、急性脳症発症に関連することが報告されている。
厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアル「小児の急性脳症」
(平成 23 年 3 月)
を参照
ジヒドロコデイン
呼吸抑制作用の強いジヒドロモルヒネに代謝されるため、米国では 12 歳未満の小児
へは禁忌となっている。
(日本小児科学会誌雑誌 2018;122:1186-1190)
テオフィリン製剤
急性脳症発症に関連する厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアル「小児の急性
脳症」
(平成 23 年 3 月)を参照。
急性脳症との因果関係に関して、結論は出ていないものの議論がなされている。
ロペラミド
ロペラミドは乳児で腸閉塞の発症が報告され、6 か月未満は禁忌である。6 か月以上
2 歳未満の乳幼児は治療上やむを得ないと判断される場合を除き投与しない。
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