【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (43 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
【医師から患者への説明例:小児の急性下痢症の場合】
ウイルスによる「お腹の風邪」のようです。特別な治療薬(=特効薬)はありませんが、自分
の免疫の力で自然に良くなります。
子どもの場合は、脱水の予防がとても大事です。体液に近い成分の水分を口からこまめにとる
ことが重要です。最初はティースプーン一杯程度を 10~15 分毎に与えてください。急にたくさ
ん与えてしまうと吐いてしまって、さらに脱水が悪化しますので、根気よく、少量ずつ与えてく
ださい。1 時間くらい続けて、大丈夫そうなら、少しずつ 1 回量を増やしましょう。
それでも水分がとれない、それ以上に吐いたり、下痢をしたりする場合は点滴(輸液療法)が
必要となることもあります。半日以上おしっこが出ない、不機嫌、ぐったりして、ウトウトして
眠りがちになったり、激しい腹痛や、保護者の方がみて「いつもと違う」と感じられたら、夜中
でも医療機関を受診してください。
便に血が混じったり、お腹がとても痛くなったり、高熱が出てくるようならバイ菌による腸炎
とか、虫垂炎、俗に言う「モウチョウ」など他の病気の可能性も考える必要が出てきますので、
その時は再度受診してください。
【薬剤師から患者への説明例:急性下痢症の場合】
医師による診察の結果、今のところ、胃腸炎による下痢の可能性が高いとのことです。これら
の急性の下痢に対しては、抗生物質(抗菌薬)はほとんど効果がありません。むしろ、抗生物質
の服用により、下痢を長引かせる可能性もあり、現時点では抗生物質の服用はお勧めできませ
ん。
脱水にならないように水分をしっかりとることが一番大事です。少量、こまめな水分摂取を心
がけてください。単なる水やお茶よりも糖分と塩分が入っているもののほうがよいです。
便に血が混じったり、お腹がとても痛くなったり、高熱が出たり、水分もとれない状況が続く
際は再度医師を受診してください。
※
医師の抗菌薬の処方の有無に関わらず、処方意図を医師が薬剤師に正確に伝えることで、患者への服薬説明が確実になり、
患者のアドヒアランスが向上すると考えられている 99,101。このことから、患者の同意を得て、処方箋の備考欄又はお薬手帳に
病名等を記載することが、医師から薬剤師に処方意図が伝わるためにも望ましい。
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