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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

例えば、感冒は、微熱や倦怠感、咽頭痛等から始まり、1-2 日遅れて鼻汁や鼻閉、咳、痰を呈し、
3 日目前後に症状は最大となり、7-10 日にかけて徐々に軽快していくという自然経過を示す 13 が、
一度軽快に向かったものが、再度悪化するような二峰性の悪化が見られた場合には、細菌感染の
合併を考慮することが重要と指摘されている 56,57。
このように、初診時に抗菌薬投与の明らかな適応がない場合には、経過が思わしくない場合の
具体的な再診の指示について患者に伝えておくことが重要である。
【医師から患者への説明例:感冒の場合】
あなたの「風邪」は、診察した結果、ウイルスによる「感冒」だと思います。つまり、今のと
ころ、抗生物質(抗菌薬)が効かない「感冒」のタイプのようです。症状を和らげるような薬を
お出ししておきます。こういう場合はゆっくり休むのが一番の薬です。
普通、最初の 2-3 日が症状のピークで、あとは 1 週間から 10 日間かけてだんだんと良くなっ
ていくと思います。
ただし、色々な病気の最初の症状が一見「風邪」のように見えることがあります。また、数百
人に 1 人くらいの割合で「風邪」の後に肺炎や副鼻腔炎等、バイ菌による感染が後から出てくる
ことが知られています。
3 日以上たっても症状が良くなってこない、あるいはだんだん悪くなってくるような場合や、
食事や水分がとれなくなった場合は、血液検査をしたりレントゲンを撮ったりする必要がでてき
ますので、もう一度受診するようにしてください。

【医師から患者への説明例:急性鼻副鼻腔炎疑いの場合】
あなたの「風邪」は、鼻の症状が強い「急性鼻副鼻腔炎」のようですが、今のところ、抗生物
質(抗菌薬)が必要な状態ではなさそうです。抗生物質により吐き気や下痢、アレルギー等の副
作用が起こることもあり、抗生物質の使用の利点が少なく、抗生物質の使用の利点よりも副作用
のリスクが上回ることから、今の状態だと使わない方がよいと思います。症状を和らげるような
薬をお出ししておきます。
一般的には、最初の 2-3 日が症状のピークで、あとは 1 週間から 10 日間かけてだんだんと良
くなっていくと思います。
今後、目の下やおでこの辺りの痛みが強くなってきたり、高い熱が出てきたり、いったん治ま
りかけた症状が再度悪化するような場合は抗生物質の必要性を考えないといけないので、その時
にはまた受診してください。

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