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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (71 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

(2) 急性咽頭炎


急性咽頭炎は、感染性、非感染性要因による咽頭の急性炎症である。



急性咽頭炎では、その原因が A 群 β 溶血性連鎖球菌(Group A β-hemolytic Streptococcus spp.:
GAS)による感染症か否かを、臨床所見と検査結果を合わせて診断することが重要である。



迅速抗原検査又は培養検査で GAS が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を
行わないことを推奨する。



迅速抗原検査又は培養検査で GAS が検出された急性咽頭炎に対して、抗菌薬投与する場合に
は、以下の抗菌薬投与を推奨する。

【抗菌薬に関する推奨】


アモキシシリン 10 日間経口投与

急性咽頭炎とは

(i)

急性咽頭炎とは、咽頭の発赤、腫脹、滲出物、潰瘍、水疱を伴う急性炎症である。咽頭の炎症
の要因として、非感染性要因と感染性要因がある。非感染性の要因には、環境要因(たばこ、環
境汚染物質、アレルゲン等)、食事要因(熱い食べ物や刺激物等)があり、また咽頭は Periodic
Fever, Aphthous Stomatitis, Pharyngitis, Adenitis(PFAPA)症候群や炎症性腸疾患等の自己炎症
疾患による炎症の場ともなる。感染性要因と非感染性要因を鑑別するのは、病歴聴取や身体診察
である。感染性要因の中で最も多いものは、成人と同様にウイルスである 31,32。また、細菌性で
は A 群 β 溶血性連鎖球菌(Group A β-hemolytic Streptococcus spp.: GAS)によるものが重要で
ある。
急性咽頭炎診療で重要なことは、急性喉頭蓋炎、頸部膿瘍、扁桃周囲膿瘍等の急性上気道閉塞
性疾患を見逃さないことと、自然治癒するウイルス性咽頭炎と治療が必要な疾患(例えば GAS
咽頭炎等)とを鑑別し、適切にフォローアップすることである。

(ii)

急性咽頭炎の疫学

急性咽頭炎と診断された小児患者のうち、GAS 陽性例は日本における報告では 16.3%32、海外
における報告では 27%とされている 31。一方で咽頭培養から検出される GAS のすべてが急性咽
頭炎の原因微生物ではなく、無症状の児の 10~30%に GAS 保菌が認められる 33。GAS による急
性咽頭炎は、5 歳から 12 歳で頻度が高く、3 歳未満児においては稀である。

(iii)

診断と鑑別

急性咽頭炎の診断の目的は、GAS が原因微生物かどうかを判断することである。咽頭痛や嚥
下痛を小児が正確に訴えることは困難で、頭痛や嘔吐を伴う発熱等の非特異的症状で咽頭炎を疑
うことが重要である。小児(3~18 歳)を対象とした GAS 咽頭炎の症状の尤度比を評価した臨

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