【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (81 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
法)による検査陽性例、あるいは百日咳菌 IgM/IgA 抗体および IgG 抗体による血清学的な証明が
必要とされている 23。
重要な鑑別疾患(レッドフラッグ)
肺炎、膿胸、気道異物が挙げられる。発熱の持続する例、呼吸障害のある症例において、肺炎
や膿胸等の除外診断のためにバイタルサインや胸部診察所見に応じて検査が考慮される。気管支
喘息等の呼吸器疾患や気道異物等の非感染性疾患についての鑑別も必要である。
(iv)
治療方法
対症療法が中心となる。急性気管支炎に対する気管支拡張薬の有効性の検討をまとめた系統的
レビューでは、閉塞性気道疾患のない小児における急性咳嗽に対して気管支拡張薬は無効として
いる 64。
(v)
抗菌薬治療
急性気管支炎に対して抗菌薬は原則として不要である 65。近年行われた多施設ランダム化比較
試験においても小児の下気道感染症に対する抗菌薬の有効性は認められなかった 66。小児の呼吸
器疾患を扱った国内外の指針でも、3 週間未満の咳を主症状とする急性気管支炎について抗菌薬
は不要と定められている 19,44,67-70。百日咳が疑われる、もしくは診断した場合はマクロライド系
抗菌薬を投与することが推奨されている。一方で、マイコプラズマ、クラミジアが原因微生物と
診断された場合はマクロライド系抗菌薬の投与が考慮されるが、気管支炎における有用性は確立
していない 71。
百日咳を対象として治療する場合には、
エリスロマイシン
25~50mg/kg/日 分 4 14 日間経口投与
クラリスロマイシン
10~15 mg/kg/日 分 2 7 日間経口投与
アジスロマイシン
10mg/kg/日 分 1 5 日間経口投与※
(添付文書上の適応菌種ではない)72
のいずれかの投与を検討する。
また、湿性咳嗽が 10 日以上続き、軽快が認められず、遷延性細菌性気管支炎や副鼻腔炎が疑
われる時は、アモキシシリンの投与を考慮する 62,73。
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