【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (96 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
された報告はない。鼓膜換気チューブ留置患者においては、いくつかの RCT にて治癒までの期
間が短縮される等の有効性が証明されており、症例を選択して投与することが検討される 105。
(ix)
鼓膜切開の適応
鼓膜切開が急性中耳炎の治癒を促進させるか否かは十分に証明されていないが、激しい耳痛、
発熱、難聴の早期改善効果が認められる。激しい耳痛、発熱、不機嫌等の強い全身症状があり、
かつ、鼓膜の局所所見、全体的な膨隆がある場合には、適応を考慮する。
(x)
鎮痛薬
アセトアミノフェン 頓用 10~15mg/kg/回 経口投与(4~6 時間以上の間隔を開けて使用)
(5) 患者および保護者への説明
【医師から患者への説明例:急性中耳炎の場合】
中耳は耳管という管で鼻の一番奥とつながっています。子どもの耳管は大人に比べて、太くて
短く、角度も水平に近いため、感冒等のウイルス感染症、アレルギー等が原因で、耳管を経由し
て炎症が中耳に広がりやすくなっています。中耳の炎症の結果、耳を痛がって機嫌が悪くなった
り、熱が出たり、鼓膜が腫れたり、赤くなったりします。この時期には、抗菌薬は特に必要な
く、熱や痛みに対して解熱鎮痛剤で治療するだけで治ることが多いです。抗菌薬は良い薬です
が、必要のないときに使用すると悪いことがあり、下痢等の副作用、耐性菌を作ってしまい将
来、非常に治療が難しくなることがあります。
小さいお子さんは風邪を引きやすく、鼻を自分でかんだりもできないうえ、中耳炎の原因にな
る細菌に対して抵抗力が弱いので、中耳(鼓膜の奥)の中での細菌の量が増えすぎてしまうこと
があります。機嫌が悪く、鼓膜がひどく腫れている状態が続いたりするようになると、抗菌薬の
助けが必要となります。稀に鼓膜切開をして膿を出すこともあります。待つ時期と抗菌薬が必要
な時期を見極めるためにも、外来で経過をみる必要があります。
<科学的根拠の採用方針(検索式等)>
小児の急性中耳炎に関して、日本小児感染症学会(JSPID)、日本感染症学会・日本化学療法学会(JAID/JSC),
米国感染症学会(IDSA),欧州臨床微生物・感染症学会(ESCMID)等の専門家集団による現在の診療ガイドラ
インの推奨を踏まえつつ,最新のエビデンスを反映させるためにメタ分析,系統的レビュー,ランダム化比較試
験について文献検索を行った。
<MEDLINE での検索式>
"otitis media"[Mesh] AND ((Clinical Trial[ptyp] OR Comparative Study[ptyp] OR Clinical Study[ptyp] OR MetaAnalysis[ptyp] OR Guideline[ptyp] OR Multicenter Study[ptyp] OR Observational Study[ptyp] OR Practice
Guideline[ptyp] OR Randomized Controlled Trial[ptyp] OR systematic[sb]) AND "2019/5/17"[PDat]:
"2023/1/31"[PDat] AND (English[lang] OR Japanese[lang]))
結果 220 件がヒットした。
これを CHILD(birth-18 years)でフィルターすると 154 件になった。
(2019 年 5 月 16 日)
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