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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (87 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

はウイルス性胃腸炎らしい症候と言える 93。一方、発熱、渋り腹や血便の存在は細菌性腸炎を考
える。血便の存在は、腸管出血性大腸菌感染症等の細菌性腸炎の他、腸重積、メッケル憩室、上
部消化管潰瘍等鑑別疾患が多様である 93。特に年少児における血便を呈する疾患の多くは重症で
急変の可能性があり、原則的には入院して精査加療が必要になる 94。
迅速抗原検査(ロタウイルス、ノロウイルス、腸管アデノウイルス)は、いずれが陽性であっ
ても治療、対処法に違いはなく、小児外来診療において、一般的に検査する意義はない。例外的
に入院や集団保育において、感染管理意識させるためや、稀に高熱を呈するロタウイルス、ノロ
ウイルス性胃腸炎もあるために、確実に診断する必要がある場合に適応となる 95。
便培養検査を急ぐケースは少なく、検査の適応となるのは、細菌性腸炎が疑われる症例で、激
しい腹痛や血便を呈する児、腸管出血性大腸菌感染症から溶血性尿毒症症候群(Hemolytic
Uremic Syndrome: HUS)が疑われる児、免疫不全児である。
重要な鑑別疾患(レッドフラッグ)
嘔吐の鑑別として重要な疾患は以下である。








急性腹症を示唆する症状・徴候を認める

腸重積、虫垂炎、精巣捻転、絞扼性イレウス等

頭蓋内圧上昇症を示唆する症状・徴候を認める

髄膜炎、頭蓋内出血

その他

敗血症(トキシックショック症候群含む)

糖尿病性ケトアシドーシス、尿路感染症

これらはすべて時間単位で悪化する疾患であるため、早急に高次医療機関への転送を検討する。

図 8. 急性ウイルス性下痢症の自然経過

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