【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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(ii)
第三版
入院患者における抗微生物薬適正使用編
「入院患者の感染症に対する基本的な考え方」では外来患者と比較してより複雑な病態が想定
される入院患者に対して適切に抗微生物薬を使用するための基本的な考え方について解説した。
医療機関で入院患者の診療に関わる様々な医療従事者を対象としている。別冊の「入院患者の感
染症で問題となる微生物」では、各医療機関で実際に入院患者の感染症の治療にあたる医療従事
者(感染症診療を専門とする医療従事者や院内の抗菌薬適正使用支援チーム [Antimicrobial
Stewardship Team: AST]を含む)を対象に、薬剤耐性菌を含む入院患者の感染症に対する具体
的な治療につき解説した。
(4) 想定する患者群
本手引きでは、外来患者・入院患者に関しそれぞれ以下のような患者群を想定している。例え
ば、ペニシリンアレルギーを有している症例に対する処方等、本手引きの範囲を超える内容につ
いては、専門医に相談することや成書を参照することをご検討頂きたい。入院患者の抗微生物薬
適正使用に関しては、院内の AST や感染症専門医等へのコンサルテーションも積極的に活用す
ることが推奨される。
外来患者
(i)
後述のように、患者数が多い急性気道感染症や急性下痢症では、外来診療において抗菌薬をは
じめとする抗微生物薬が必要な状況は限定されている。本手引きの各論では、薬剤耐性対策の中
でも特に重要な抗菌薬の適正使用を推進するため、諸外国での現状及び日本において過剰な処方
が指摘されている抗菌薬の種類 6,7 から総合的に判断し、不必要に抗菌薬が処方されていることが
多いと考えられる急性気道感染症及び急性下痢症の患者に焦点を当てて記載している。本手引き
では、基礎疾患のない患者を対象とし、成人及び学童期以上の小児編、及び乳幼児編と分けて記
載している。
(ii)
入院患者
医療機関においては、感染症の治療のために入院する患者のみでなく、他疾患の治療のための
入院中に感染症を発症する場合や、感染症疾患の治療中に別の感染症を併発する場合もある。そ
の大半は医療関連感染症であり、医療デバイス挿入や手術に関連したものは国内でもサーベイラ
ンスの対象になっている 11-13。医療関連感染症は患者の在院日数の延長や合併症発生率・致命率
の上昇、医療費の増加等への影響が甚大でその予防は極めて重要である 14。しかし、本稿の内容
は抗微生物薬適正使用に焦点を絞っているため予防に関する記載は含まず、医療関連感染症を含
む「入院患者の感染症」に対する抗菌薬の適正使用の基本的な考え方について概説し、その具体
的な治療法に関して別冊に記した。
医療施設は、薬剤耐性の発生やその伝播に重要な役割を果たしており、医療施設における感染
症に対する抗菌薬の適正使用は薬剤耐性対策において不可欠である 15。なお、適正使用の考え方
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