【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (84 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
頃に喘鳴を特徴とする症状の悪化を認めることが多い。特に乳児期早期、未熟児、先天性心疾患、
慢性肺疾患、免疫不全症では呼吸障害が強く入院を要することも少なくないため、多呼吸、努力
呼吸、低酸素血症等重症化のサインに注意し必要があれば二次医療機関への紹介を検討する。
図 7. 急性細気管支炎の自然経過
(iv)
治療方法
有効な治療薬はなく、呼吸・全身状態に応じた全身管理が重要である 75。脱水に注意し、適宜
補液を行うことが重要である。上気道の分泌過多がある場合は鼻腔吸引を行うことも推奨されて
いる 76。経過中に病状が進行する可能性や合併症をきたす可能性があり、リスクアセスメントや
状態の見極めが重要である。
(v)
抗菌薬治療
急性細気管支炎に対して抗菌薬は不要である。多数の論文に基づいた系統的レビューより抗菌
薬の有効性は否定されており 77、国内外の診療ガイドラインのコンセンサスでもある 44,63,74。
ただし、細菌性肺炎や中耳炎の合併をきたすことがあるので、熱が遷延する場合や、軽快傾向
にあった患者が再増悪した場合には注意を要する 78。中耳炎の合併率は 30~60%と報告されて
いる 79,80。
英国の National Institute for Health and Care Excellence(NICE)の指針では、鼻腔吸引につい
て、全例での実施は推奨せず、上気道の分泌物過多で呼吸状態が悪いか、経口摂取不良となって
いる症例に推奨している 63。気管支拡張薬やステロイドを用いた薬物療法の有効性、理学療法の
有用性についてはいずれも系統的レビュー81-83 の結果否定されており、各種ガイドラインでも推
奨されていない 74。救急外来における吸入アドレナリン療法の検討や高張食塩水の吸入療法 84 に
ついては一部有効性が報告されているが 85、十分な監視下で行われるべき治療であり、一般小児
科外来では推奨されない。
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