【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (69 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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4.
第三版
その他の抗菌薬が適応となるような合併症(化膿性中耳炎、細菌性肺炎、尿路感染症、菌
血症等)を認める。原則、アモキシシリンが第一選択になることが多いが、非定型肺炎で
はマクロライド系抗菌薬を必要があれば考慮する。
(vi)
患者および保護者への説明
海外の文献では、感冒で受診した患者や保護者の満足度は、抗菌薬処方の有無よりも、病状説
明による安心感が得られたことにより強く依存していることが示されている 30。説明における要
点は、具体的な指導を行うことである。多くの場合は自然に治癒すること、自宅で実施可能な対
症療法、再受診を促す目安となる多呼吸、起坐呼吸、努力呼吸、意識状態の低下、水分摂取不可
で排尿が半日以上なくてぐったりしているなどあれば、医療機関の受診を勧める。
【医師から患者への説明例:感冒の場合】
ウイルスによる「かぜ」です。「かぜ」の症状は自然に良くなりますが、完全に消えるまでは
1~2 週間続くことがあります。比較的、元気で水分もとれていて、おしっこもよく出ている
ときは、熱がさがって症状が良くなるまで自宅で安静にしましょう。
ウイルスには抗菌薬は効きません。必要もないのに服用することで、耐性菌という薬が効か
ない菌を作って将来、問題になったり、薬の副作用で下痢をしたりでかえって具合が悪くな
ることもあります。
発熱がある場合は安静にして、熱がこもらないように薄着にしてあげましょう。ただし手足
が冷たい時や、寒気のする時は逆に保温して構いません。高熱があってだるそうにしている
場合は、アセトアミノフェン等の解熱剤を用いても良いです。熱を下げることで食欲が出た
り、水分がとれたりすることがあります。水分は、塩分を含んでいるものをあげましょう。
鼻が詰まっている場合は、鼻をかむか、出来ない場合はぬぐってあげて、枕を使って上体を
上げてあげるのも良いでしょう。
時々、中耳炎、副鼻腔炎や肺炎を起こすことがあります。3 日以上発熱が続いて具合が悪い
場合や、症状が悪くなる場合は再度受診してください。
特に苦しそうな呼吸をしていたり(肩で呼吸をしている、呼吸が苦しくて横になれない)、意
識がおかしい場合、水分がとれなくて半日以上、おしっこが出てなくてぐったりしていると
きは、すぐに医療機関を受診してください。
<文献検索方法>
小児の感冒、急性鼻副鼻腔炎に関して、Nelson Textbook of Pediatrics (20th ed)、Feigin and Cherry's Textbook of
Pediatric Infectious Diseases (7th ed)、Mandell, Douglas, and Bennett's Principles and Practice of Infectious
Diseases (8th ed)、日本小児感染症学会(JSPID)、日本感染症学会・日本化学療法学会(JAID/JSC)、米国感染
症学会(IDSA)、欧州臨床微生物・感染症学会(ESCMID)等の専門家集団による現在の診療ガイドラインの推
奨を踏まえつつ、最新のエビデンスを反映させるために第 2 版以降の文献検索を行った。
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