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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (72 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

床研究によると、猩紅熱様皮疹や軟口蓋の点状出血斑の陽性尤度比が比較的高い 32。ウイルス性
咽頭炎と GAS 咽頭炎の鑑別点を以下の表に記す。
表 2. A 群 β 溶血性連鎖球菌咽頭炎とウイルス性咽頭炎
GAS 咽頭炎

・ 突然発症
・ 発熱
・ 頭痛
・ 嘔気・嘔吐
・ 腹痛
・ 圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹
・ 猩紅熱様皮疹

ウイルス性咽頭炎

・ 結膜炎
・ 咳嗽
・ 嗄声
・ 鼻汁
・ 筋肉痛
・ 下痢

小児においても Centor の基準が用いられるが、最も高いスコア(4 点)の最高得点での陽性率
は 68%である 35。スコア値のみで急性咽頭炎の原因が GAS であると判断することは、過剰診断
と治療につながる。そのことから、より正確な診断のために、検査診断が有用となる。
表 3. Centor の基準
発熱 38℃以上

1点

咳がない

1点

圧痛を伴う前頸部リンパ節腫脹

1点

白苔を伴う扁桃炎

1点

避けるべきことは、検査過剰による GAS 保菌者や臨床像が類似するウイルスが原因である非
GAS 咽頭炎に対する抗菌薬治療である。そのためには、総合的に診断すること、すなわち患者
を診察し、GAS 咽頭炎の事前確率が高いと判断した症例に限り、適切に検査を行うことが重要
である。また 3 歳未満では、GAS 咽頭炎がそもそも少ないこと、続発する急性リウマチ熱
(Acute rheumatic fever: ARF)の合併が少ないために、GAS 咽頭炎患者と濃厚接触がある時を
除いて、原則的には検査しないことが推奨されている 36。
GAS 検査の基本原則は、適応外の児に行うと保菌者を拾い上げ、過剰な抗菌薬使用につなが
るため、①検査適応(表)を吟味すること、②適応のある児に対して検査を行い、③迅速検査が
陽性であれば培養は不要、の 3 点である。また臨床的にウイルス感染症の可能性が高い場合(す
なわち GAS 咽頭炎の事前確率の低い咳や鼻汁を認める場合等)は、検査しないことを推奨する。
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