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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

【医師から患者への説明例:ウイルス性咽頭炎疑いの場合】
あなたの「風邪」は喉の症状が強い「急性咽頭炎」のようですが、症状からはおそらくウイル
スによるものだと思いますので、抗生物質(抗菌薬)が効かないと思われます。抗生物質には吐
き気や下痢、アレルギー等の副作用が起こることもあり、抗生物質の使用の利点が少なく、抗生
物質の使用の利点よりも副作用のリスクが上回ることから、今の状態だと使わない方が良いと思
います。痛みを和らげる薬をお出ししておきます。
一般的には、最初の 2-3 日が症状のピークで、あとは 1 週間から 10 日間かけてだんだんと良
くなっていくと思います。3 日ほど様子を見て良くならないようならまたいらしてください。
まず大丈夫だと思いますが、万が一、喉の痛みが強くなって水も飲み込めないような状態にな
ったら診断を考え直す必要がありますので、すぐに受診してください。

【医師から患者への説明例:急性気管支炎患者の場合】
あなたの「風邪」は咳が強い「急性気管支炎」のようです。熱はないですし、今のところ肺炎
を疑うような症状もありません。実は、気管支炎には抗生物質(抗菌薬)はあまり効果がありま
せん。抗生物質により吐き気や下痢、アレルギー等の副作用が起こることもあり、抗生物質の使
用の利点が少なく、抗生物質の使用の利点よりも副作用のリスクが上回ることから、今の状態だ
と使わない方が良いと思います。
咳を和らげるような薬をお出ししておきます。
残念ながら、このような場合の咳は 2-3 週間続くことが普通で、明日から急に良くなることは
ありません。咳が出ている間はつらいと思いますが、なんとか症状を抑えていきましょう。
1 週間後くらいに様子を見せてください。
もし眠れないほど咳が強くなったり、痰が増えて息苦しさを感じたり、熱が出てくるようなら
肺炎を考えてレントゲンを撮ったり、診断を見直す必要が出てくるので、その場合は 1 週間たっ
ていなくても受診してください。

【薬剤師から患者への説明例:抗菌薬が出ていない場合の対応例】
あなたの「風邪」には、医師による診察の結果、今のところ抗生物質(抗菌薬)は必要ないよ
うです。むしろ、抗生物質の服用により、下痢等の副作用を生じることがあり、現時点では抗生
物質の服用はお勧めできません。代わりに、症状を和らげるようなお薬が医師より処方されてい
るのでお渡しします。
ただし、色々な病気の最初の症状が「風邪」のように見えることがあります。
3 日以上たっても症状が良くなってこない、あるいはだんだん悪くなってくるような場合や、
食事や水分がとれなくなった場合は、もう一度医療機関を受診するようにしてください。


抗菌薬の処方の有無に関わらず、処方意図を医師が薬剤師に正確に伝えることで、患者への服薬説明が確実になり、患者の
アドヒアランスが向上すると考えられている 95-96。このことから、患者の同意を得て、処方箋の備考欄又はお薬手帳に病名
等を記載することが、医師から薬剤師に処方意図が伝わるためにも望ましい。

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