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【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (75 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》
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抗微生物薬適正使用の手引き

第三版

④ GAS 咽頭炎に対する抗菌薬治療期間
GAS 咽頭炎に対するペニシリン系抗菌薬での治療期間は 10 日間を推奨する。2012 年のコクラ
ンレビューによると、小児の GAS 咽頭炎に対する抗菌薬として、ペニシリン系抗菌薬 10 日間
と、ペニシリン系抗菌薬以外の抗菌薬 4~6 日の治療を比較した検討によると、短期治療群で症
状消失は有意に早いものの再燃率は高かった。また副作用はペニシリン系抗菌薬群の方が少なく、
リウマチ熱・腎炎の合併率は有意差がなかった 48。アモキシシリン 10 日間もしくはセファロス
ポリン系抗菌薬 5 日間による GAS 咽頭炎後の除菌率、再発率を比較した後方視的コホート研究
によると、除菌率は有意にアモキシシリン治療群で高く(91.7%、セファロスポリン系抗菌薬治
療群で 82.0%、p=0.01)
、再発率に差はなかった 49。
⑤ GAS 咽頭炎に対する抗菌薬の代替薬
重症ペニシリンアレルギー(アナフィラキシーショック等)がある場合はクリンダマイシンが
推奨される 43。しかし、わが国では GAS のクリンダマイシン耐性は 24%と高く(マクロライド
系抗菌薬への耐性率も 61%と高い)50、使用する際は感受性検査結果等を参考に注意して使用す
る。他の代替薬の検討が行われているが、有効性においてペニシリン系抗菌薬を明らかに上回る
ことはない 51。
上記をまとめると、急性咽頭炎に対する抗菌薬治療は以下の通りである。


GAS を除く急性咽頭炎に対しては抗菌薬を投与しない



GAS による急性咽頭炎と診断した場合、
【第一選択】
アモキシシリン 30~50mg/kg/日(最大 1,000mg/日)
分 2 もしくは分 3

10 日間経口投与

ベンジルペニシリンベンザチン 5 万単位/kg/日(最大 160 万単位/日)
分 3 もしくは分 4

10 日間経口投与

【重度のペニシリンアレルギーがある場合】
クリンダマイシン 15mg/kg/日、
重症感染症には 20mg/kg/日(最大 900mg/日)分 3 10 日間経口投与
クラリスロマイシン 15mg/kg/日(最大 400mg/日)
分 2 10 日間経口投与

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