【参考資料4】抗微生物薬適正使用の手引き 第三版 本編 (27 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45318.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 感染症部会 薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 抗微生物薬適正使用(AMS)等に関する作業部会(第6回 11/19)《厚生労働省》 |
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第三版
急性鼻副鼻腔炎
(ii)
成人では、軽症※の急性鼻副鼻腔炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
成人では、中等症又は重症※の急性鼻副鼻腔炎に対してのみ、以下の抗菌薬投与を検討する
ことを推奨する。
(成人における基本)
アモキシシリン 5-7 日間経口投与
学童期以降の小児では、急性鼻副鼻腔炎に対しては、遷延性又は重症の場合 ※※を除き、抗菌
薬投与を行わないことを推奨する。
学童期以降の小児の急性鼻副鼻腔炎に対して、遷延性又は重症の場合※※には、抗菌薬投与を
検討することを推奨する。
(小児における基本)
※
アモキシシリン 7-10 日間経口投与
重症度については、表 3 を元に分類を行うこととする。
※※
具体的には表 4 を参照。
表 3. 急性鼻副鼻腔炎の重症度分類
臨床症状
鼻腔所見
文献 67, 68 より作成
なし
軽度/少量
中等以上
鼻漏
0
1
2
顔面痛・前頭部痛
0
1
2
0
(漿液性)
2
(粘膿性少量)
4
(粘液性中等量以上)
鼻汁・後鼻漏
軽症:1-3 点、中等症:4-6 点、重症:7-8 点
表 4. 小児の急性鼻副鼻腔炎に係る判定基準
文献 69 より作成
以下のいずれかに当てはまる場合、遷延性又は重症と判定する。
1.
10 日間以上続く鼻汁・後鼻漏や日中の咳を認めるもの。
2.
39℃以上の発熱と膿性鼻汁が少なくとも 3 日以上続き重症感のあるもの。
3.
感冒に引き続き、1 週間後に再度の発熱や日中の鼻汁・咳の増悪が見られるもの。
急性鼻副鼻腔炎に関しては、細菌性鼻副鼻腔炎が疑わしい場合でも、抗菌薬投与の有無に関わ
らず、1 週間後には約半数が、2 週間後には約 7 割の患者が治癒することが報告されている 70。
また、抗菌薬投与群では偽薬群(プラセボ群)に比べて 7-14 日目に治癒する割合は高くなるも
のの、副作用(嘔吐、下痢、腹痛)の発生割合も高く、抗菌薬投与は欠点が利点を上回る可能性
があることが報告されている 70。同様に、鼻炎症状が 10 日間未満の急性鼻炎では、鼻汁が膿性
であるか否かに関わらず、抗菌薬の効果は偽薬群(プラセボ群)よりも優れているとは言えず、
副作用の発生は 1.46 倍(95%信頼区間 1.10-1.94 倍)多くなると報告されている 66。
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