提案書18(3402頁~3601頁) (111 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
706102
脳脊髄液アミロイドβアッセイ
日本認知症学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
12神経内科
21精神科
関連する診療科(2つまで)
38その他(診療科名を右の空欄に記載する。)
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
脳脊髄液アミロイドβアッセイ
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
文字数: 77
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
有
令和4年度
無
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
老年内科
腰椎穿刺により脳脊髄液を採取し、抗Aβ抗体をもちいたイムノアッセイ法により、脳脊髄液中のアミロイドβ(Aβ)42、
もしくはAβ42/Aβ40比を測定する。
アルツハイマー病(軽度認知障害および認知症において他の疾患との鑑別が必要な患者)
臨床的にアルツハイマー型認知症と診断された症例の20-40%は非アルツハイマー病の誤診である。本技術を現在保険収載さ
れている脳脊髄液リン酸化タウと組み合わせることで、より正確なアルツハイマー病の診断が可能となる。アルツハイマー
病に対する抗Aβ抗体が承認されれば、生前のAβ病理の確認が必須となるため本技術は重要である。根本治療薬がない現状
においても、本技術により若年例や非典型例を正しくアルツハイマー病と診断することで抗認知症薬による介入が可能とな
り、また非アルツハイマー病に対する適応外使用を避けることが可能となる。さらに正確な診断は予後推定の根拠として介
護を含めた生涯設計に有益な情報をもたらす。
文字数: 300
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
軽度認知障害および認知症の段階にあるアルツハイマー病患者、および本疾患の鑑別を要する者。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
腰椎穿刺により脳脊髄液を採取し、抗アミロイドβ抗体をもちいたイムノアッセイ法によりアミロイドβ(Aβ)42、もし
くはAβ42/Aβ40比を定量する。軽度認知障害および認知症を呈し、アルツハイマー病の鑑別を要する患者に対して、1患者
あたり1回測定する。
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
D
番号
004
医療技術名
穿刺液・採取液検査:14 リン酸化タウ蛋白(髄液)
既存の治療法・検査法等の内容
腰椎穿刺により脳脊髄液を採取し、抗リン酸化タウ抗体をもちいたイムノアッセイ法によりリン酸化タウ蛋白を定量する。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
脳脊髄液中のリン酸化タウ蛋白は、アルツハイマー病における神経原線維変化を反映し上昇するが、アミロイドβ(Aβ)
斑の沈着は反映しない。そのためAβ斑を反映する脳脊髄液中のAβ42を測定することで、より診断精度を挙げるとともに、
より早期の診断が可能となる。
システマティックレビューにより、脳脊髄液アミロイドβ(Aβ)42測定のアルツハイマー病診断における感度は87.693.2%、特異度は84.0-84.5%とされている(参考文献1)。アルツハイマー病には、脳脊髄液中のタウ蛋白の上昇を認め
ず、Aβ42の著明な低下のみを示す一群が存在するため、両者をあわせて測定する必要があることが報告されている(参考
文献2)。脳脊髄液中のAβ42/Aβ40比は、アルツハイマー病を健常対照から感度97.5%、特異度92.5%で鑑別可能であり
(参考文献3)、従来のリン酸化タウ蛋白単独あるいはタウ蛋白単独よりも診断精度が向上する。本邦の多施設共同研究に
おいて、脳脊髄液リン酸化タウとAβ42を組み合わせて診断したところ、アルツハイマー型認知症と診断された症例の
61.2%、軽度認知障害と診断された症例の48.8%のみがアルツハイマー病パターンを示した(参考文献4)。このことは、
従来の臨床診断ではアルツハイマー型認知症の38.8%、軽度認知障害の51.2%が誤診されていることを意味する。
1a
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
3512
「認知症疾患診療ガイドライン2017」において、"脳脊髄液Aβ42
の低下は、Alzheimer型認知症の診断と発症予測のバイオマー
カーとして多くの前向き大規模研究によってエビデンスが明らか
にされている"として、"Alzheimer型認知症の診断に有用なバイ
オマーカー(強いエビデンスレベル)"と記載されている。